「My One and Only Song」
僕が独断と偏見でチョイスした唯一無二の一曲
大好きな曲、思い入れのある曲、泣ける一曲など心をこめて
一曲入魂でお届けするコーナー
第67回目に紹介したのは、Coldplay『Viva La Vida(美しき生命)』(2008)
現代のロックシーンで最も商業的成功を収めた英国のバンド=コールドプレイが
2008年にリリースされた4枚目のスタジオアルバム(同名タイトル)からの一曲
UKシングルチャートと米のBillboard Hot 100にて第1位を獲得しており
第51回グラミー賞では、最優秀楽曲賞、最優秀ボーカル入りポップパフォーマンスを受賞した
アルバム原題の「Viva la Vida or Death and All His Friends」を直訳すると
「人生万歳、もしくは、死と彼の全ての友人」ということになるとの事
史実や宗教的な内容を含んだ歌詞が多く、このアルバムのテーマ「生と死」を表している
“Viva la Vida”はスペイン語だが、メキシコの画家=フリーダ・カーロの作品にちなんでいるのと
アルバムジャケットにはウジェーヌ・ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」が使用されている
この曲はファンの間で最も議論になることが多い曲でいまだに解明されていない事が多い
おそらく歴史上の人物について歌っているのでは…と言われているこの曲
議論の中心は「一体誰の事を歌っているのか?」だ
勿論、コールドプレイも誰をモチーフにしたかは名言していない
一番多いのは“ナポレオン”で、次いで“ルイ16世”“ シャルル10世”の3人
其々に「なるほど」と思わせる、それなりの理由とこじつけがあるのだが
共通点はフランスで一時、王(または皇帝)になっており、後に失脚している点だ
まずはPVで彼らがナポレオンジャケットを衣装として着ている点に注目
ご存知、皇帝ナポレオン・ボナパルトが着ていた軍服を模したデザインのジャケットのことだが
これを見ると、何かしらナポレオンに関係していると、誰もが感じて不自然はない
しかし、ナポレオンでは歌詞にしっくり来ない部分があるのと
もう1つ発表されているPV(alternative video version)を見るとどうも様子が違うことに気付く
別Ver.では、王冠を頭に乗せマントを羽織ったクリスがパリの街を歩くところからはじまり
やがて、人里離れたところへと逃げるように彷徨い続け
最後は野山でナポレオンジャケットを着た他のメンパーが出てきて終わるという内容になっている
ルイ16世もフランス革命の際、パリからの逃亡を企てヴァレンヌという村で捕っており
これは一説によると妻であるマオー・アントワネットに謀られたとも言われているが
いずれにしても王が街を出て革命者に捕まるという事を考えると
この別Ver.PVのストーリーとかなり似ているのです
歌詞の内容もかなり近いし、これはルイ16世に違いないと思ってしまうのだが
ただ、ここでもやはりおかしな部分が出てくる
この別Ver.では王様を模したクリスがなぜか「民衆を導く自由の女神」を持ち歩いているのだ
前述したようにアルバムジャケットもこれをモチーフにしているわけだが
1874年にルーヴル美術館に収蔵されて以来、国外に出たのは英国・米国・日本のみという名画で
フランス革命の象徴的な意味合いを持つ作品として有名であるが
普通にフランス革命と考えると、1787年から始まる革命当時のルイ16世を思い浮かべるが
実は「民衆を導く自由の女神」は1830年に起きたフランス7月革命を主題としている
そうなると最後に出てくるのがシャルル10世という事になる
シャルル10世はフランス革命の時にロンドンに亡命していたという説もあるので
コールドプレイが英国バンドという事を考えると、そういうこじつけもあるかも知れない
というような具合にこの曲の考察というのは様々な角度からされているものの
結局のところ“誰なのか”という事ははっきりしていない
しかし、この曲がある種、現代の変革の時代を生きる僕たちへのメッセージであることは確か
そうしたミステリアスな部分も含めてこの曲には不思議な魅力があるのだ
Coldplay『Viva La Vida (美しき生命)』
I used to rule the world
Seas would rise when I gave the word
Now in the morning I sleep alone
Sweep the streets I used to own
I used to roll the dice
Feel the fear in my enemy's eyes
Listen as the crowd would sing
Now the old king is dead Long live the king
One minute I held the key
Next the walls were closed on me
And I discovered that my castles stand
Upon pillars of salt and pillars of sand
I hear Jerusalem bells a-ringing
Roman cavalry choirs are singing
Be my mirror my sword and shield
Missionaries in a foreign field
For some reason I can't explain
Once you go there was never,
Never an honest word
And that was when I ruled the world
It was the wicked and wild wind
Blew down the doors to let me in
Shattered windows and the sound of drums
People couldn't believe what I'd become
Revolutionaries wait
For my head on a silver plate
Just a puppet on a lonely string
Oh who would ever want to be king?
I hear Jerusalem bells a-ringing
Roman cavalry choirs are singing
Be my mirror my sword and shield
My missionaries in a foreign field
For some reason I can't explain
I know St. Peter won't call my name
Never an honest word
But that was when I ruled the world
Hear Jerusalem bells a-ringing
Roman cavalry choirs are singing
Be my mirror my sword and shield
My missionaries in a foreign field
For some reason I can't explain
I know St. Peter won't call my name
Never an honest word
But that was when I ruled the world
かつて私は 世界を支配した
私の言葉ひとつで 海は割れた
今は朝起きても一人
昔自分のものだった道を 掃く
かつて私は 賽を転がし 戦った
敵の目に恐怖がよぎる 手ごたえ
耳朶を打つ 群集のどよめく歌
「王は死んだ! 王様万歳!」
鍵を手にしたその瞬間
四方を壁に閉ざされた
ふと気付けば私の城が建っていたのは
塩の柱 砂の柱の上
エルサレムの鐘の音が聞こえる
ローマの聖歌隊が歌う
私の鏡、剣、盾になれ
異郷の地に赴く 使徒になれ
何故だろう 理由は分からないけど
そこに着いた途端
正直な言葉はひとつも出てこなかった
それは世界を支配していた頃の自分
それは邪な暴風だった
ドアをなぎ倒し 私を中に招く
砕け散る窓 轟く太鼓の音
変わり果てた私に 人々は目を疑った
革命家が 待ちわびるのは
銀盆に載る 私の首
糸1本の操り人形に過ぎない自分
おお 誰が王などなりたい?
エルサレムの鐘の音が聞こえる
ローマの聖歌隊が歌う
私の鏡、剣、盾になれ
異郷の地に赴く 使徒になれ
何故だろう 理由は分からないけど
聖ペトロはきっと私の名を呼ばない
正直な言葉はひとつも出てこなかった
でもそれは世界を支配していた頃の自分
作詞・作曲/ Guy Berryman, Jon Buckland, Will Champion, Chris Martin. 歌/Coldplay
Coldplay - Viva La Vida
Coldplay - Viva La Vida (Official Alternate Music Video)
美しき生命 【通常盤】 | |
coldpaly | |
EMI MUSIC JAPAN(TO)(M) |
21世紀最大のロック・バンド、コールドプレイ最新作!
ロック・ミュージックの新たな未来を切り開く驚異のトータル・アルバム!
U2のThe Joshua TreeやActhtung Baby等の名プロデューサー、ブライアン・イーノをプロデューサーに迎え、ロック・ミュージックに大きな変革をもたらす驚異の新作が誕生!
【Coldplay】
1996年、ロンドンの大学でクリス・マーティン(vo、g、p)を中心に結成された4人組ロック・バンド。1998年よりバンド名をコールドプレイとして活動。2000年、デビュー・アルバム『パラシューツ』がUKチャート1位を記録。2002年に『静寂の世界』で米国進出にも成功し、UKチャート1位、USチャートでも5位を記録。売り上げは1,000万枚を超え、2004年にはグラミー賞を獲得。2005年6月に発売された『X&Y』は世界31ヵ国で1位を獲得。2008年、4作目『美しき生命』も世界的ヒットとなった。
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