地元紙が稚内大沼白鳥の会がGWに予定していた
「白鳥まつり」が今年も中止と決まったと報じていました。
記事によると運営メンバーの欠員や資金不足により開催が難しく、
「白鳥おじさん」こと吉田さんの体調不良によるものだといいます。
僕は大沼の白鳥を見るのが好きで、渡りの時期には週一回は足を運びます。
白鳥おじさんに会えることも理由の1つかも知れません。
そんな吉田さんの大変なご尽力により、大沼に白鳥が飛来して20年が経ちました。
今では浜頓別町のクッチャロ湖よりも、はるかに飛来数が多くなってると聞きます。
そんな中、去年の春・秋に続いての中止・・・
残念ながらここ数年、こういう多くの市民が楽しみにしているイベントが、
資金難や人手不足で中止になった例が後を絶ちません。
原因はどこにあるのでしょうか?
イベントを企画し、運営していくことは並大抵のことではありません。
僕の知る限り、こうしたイベントの主催者や実行委員会の皆さんは、
資金集めをはじめ、とても大変な努力をされていると思います。
吉田さんもしかりです。
資金難や人手不足というからには助けが必要なのです。
助けがあれば、あるいは引き継ぐものがいれば出来るのです。
勿論、稚内市も数年前に財政難の中、バードハウス設置や道路整備等を
してくれました。
地域住民や商工会や企業も長年、協力をしてきた事でしょう。
しかしながら、ここへ来て1つの岐路に立たされてしまったのです。
祭りやイベントの類は確かに大きなお金を生むものではないかも知れません。
小さな祭りでは経済効果も少ないのかも知れません。
でも、こうした祭りやイベントは市民の活気を生みます。
元気を生みます。
巷で言われているハコモノの建設だけが本当に観光振興に役立つのでしょうか?
観光振興とは、地域の魅力を創出していくプロセスに他ならないはずです。
旅館業や土産物店のように観光に直接関わる産業の振興や観光客数を
増やすことだけを指すものではないはずです。
それをふまえると、“今ある”大沼は稚内にとって貴重な観光資源であるといえます。
「白鳥の飛来する街」
この観光オフシーズン時期、これは魅力的な観光キャッチフレーズにならないのでしょうか?
『稚内には素晴らしい自然がある。』
市民一人一人がそれを自覚する。
その多くが入場料を払っていつでも見れるものではないけど、
どこでも見れるものでもない。
せっかくあるものを生かさずして、何のための観光施策なのか?
地域市民に愛される場所や施設は、きっと多くの観光客も呼び寄せます。
大沼やそこで行われる白鳥まつりも、そうした市民の憩いの場とするならば、
こういう時こそ市が知恵と力を貸してあげるべきではないのでしょうか。
それだって都市整備等と同じく立派に市民生活に直結したものと言えるでしょう。
確かに我が街も国や道と同様に財政が厳しい現状ですが、
それを乗り切るために自治体と地域住民が一丸となって知恵と汗を出して、
稚内らしい観光振興に取り組むことが不可欠なのではないでしょうか。
あくまでも僕の個人的意見で言わせてもらえれば、
現在の稚内の観光まちづくりの方向性は都会の真似事だけで、
背伸びをしようとしているだけのような気がしてなりません。
本当は魅力ある街なのに、どこかでそれを見失ってしまったのではないでしょうか?
何か新しいものをつくったり、今までにない名物を考案することだけが、
観光振興策ではないはずです。
『今あるものを生かす。他にはないものを生かす。』
それが今の我が街に一番必要なことだと僕は考えるのです。。。