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モネロン島が見えた!

2013年09月25日 | Nature

9月25日(水)

市内はどんより曇り空だったにもかかわらず

稚内公園にある稚内市開基百年記念塔・北方記念館からは利尻・礼文・サハリン・モネロン島が見えた

四島が全て綺麗な形で見えるのは極めて稀で、年に数度あるかないかと言われている

かくいう僕もモネロン島をここまではっきりと見たのは人生初で

このように稚内に住んでいても、はっきりと見たことがある人は少ないのではないだろうか


モネロン島といえばサハリンの南西端にある無人島である

サハリンからは南西約50kmにあり、周囲20km、面積はわずか30平方kmの小さな島

天気と条件が良ければ、サハリンと礼文島の間に見え

稚内側から見ると、おはぎを潰したような形に見える


さて、せっかくその貴重な姿を見たのだからと興味が沸き、島について少し調べてみた


昭和58年9月1日大韓航空機がモネロン島上空で墜落した事故により

モネロン島という島の名が有名になったが、樺太時代には海馬島(かいばとう、トドモシリ)と言われ

本斗郡海馬村に属し、1941年には751人の人口があったと記されている

当時、400種類にも及ぶ植物が自生しており、中には海馬島にしかない固有種もあったようで

そのため海馬島特殊植物群落地帯として樺太の天然記念物であったとのこと

地質的には北海道礼文島と海底山脈でつながっているということで

礼文島にある希少な高山植物などもあるのかも知れない

また漁場は大変に豊かで、昆布、雲丹、鰊の大漁場であったそうだ

トドモシリの名があったように、島の付近に多くのトドが生息していたため

樺太開拓前はアイヌ人が貴重な肉を求めて年2回(春秋)の漁をしにこの島で漁をしたという


一方、ロシア時代になると、ここに住んだのは国境警備隊や灯台守だけで

総人口は6人をこえることは殆どなかったという記述があった

これが逆に自然が守られることに繋がり、何とロシアで最初の海洋国定公園に指定されたという事だ

あの大ロシアにして最初ということは、いかにここが貴重な自然と生態系を持っていることがわかる

今では「秘境ツアー」と謳って、年間に1000人ほどのロシア人観光客を受け入れているのだそうだ

それでもロシア連邦保安局から特別な許可が必要らしく、取得にも結構な期間を要するらしい

それもまたここの自然を守るためには好都合になっているのだろう


ネットで検索すると、現在のモネロン島の写真を数枚見つけることが出来る

それを見るとまるで世界遺産の知床半島のようでもあり

水晶のように澄みきった透明な美しい海が広がっているようだ

ベテランダイバーでもあるメドベージェフ首相は近年ここを訪れこう話している

「自分のクルーザーで色々な場所に行っているが、モネロン島ほどの美しさは見たことがない。

水がきれいで水中ライトもいらない。他の極東海岸にはこんな水中の景色はない!」


当然、礼文島も利尻島も素晴らしい自然である事には違いないが

人の手が入っていない分、モネロン島の美しさは容易に想像できる

こんな素晴らしい島と自然が稚内のすぐそばにあるのだ

日ロで協力し、利尻・礼文・モネロン島の一帯で世界遺産登録を目指せないものだろうか



サハリン

利尻

礼文

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