外に無く、内に有ること。

美を感じること、自然に生きること。

短縮法の魔術師

2010-03-25 11:00:00 | 日記


今日は、カワイイもの好きな私が、かわいくなくても好きな「マンテーニャ」。
エゾリスも好きだけど、チャールトン・ヘストンも好き、て言う感じ。
彼こそイタリアルネッサンス第一の画家といっても過言ではない、かも知れない。

時代的にはフィレンツェ御三家より、年上なのに今頃出てきたのは、ヴェネツィア絵画につながり、そこからバロックに流れ行く方が自然だからです。

よく遠近法のテキストに短縮法の作例として有名な「死せるキリスト」で目にしてる方も多いはず。
人物の短縮法と室内の透視図法との二重の遠近法を使い分けて独自の絵画空間を創りあげている。
北イタリアのマサッチオと呼ばれる所以です。

マンテーニャは遠近法を愛した点では、ウッチェロやフランチェスカに近いものを感じますが、もう一歩踏み出して、古代風インテリア空間にまでなっている点が大きな特徴。
古代風空間に空間感を高めるために配置されている人物、登場人物が中心ではなく、その背景となるべき空間のほうが主人公になっている。

ヴェネツィアの画家一族ベリーニ家の娘と結婚したマンテーニャは、明日登場のジョバンニ・ベリーニと義兄弟になり、最強タッグでヴェネツィア絵画の基礎を築きあげるのです。

解説の辻茂はゲーテの「イタリア紀行」から引用して、

「なんと鋭敏適確な直截さが、マンテーニャの画面にはあることか」。