外に無く、内に有ること。

美を感じること、自然に生きること。

見てきたように、想像する。

2010-03-17 05:24:59 | 日記


今日は、ルネッサンスの超人「ミケランジェロ」。
現実に完成させたという点では、万能の人はダ・ヴィンチより、ミケランジェロのほうかも。

ミケランジェロは昨日のギルランダイヨ工房で修業したと記憶していたが、ウィキペディアで調べると「13歳でドメニコ・ギルランダイオに弟子入りした。ドメニコは彼の才能に感心し、フィレンツェの支配者だったロレンツォ・デ・メディチに紹介した。」と書いてある。
ところが、このファブリでは「師と意見が合わず、一年ほどで工房を飛び出した」と書いてある。

私はファブリのほうがミケランジェロの負けん気が現れるエピソードだと思う。
ウィキペディアのほうが現実的だが、後々彼のエピソードにつながらないし、伝説にもならない。

ヴァザーリの美術家列伝は伝説を集めたもので、かなり間違いも多いことになっている。
カスターニョがヴェネツァーノから絵画技術を盗んで彼を殺した話などは年代が合わないといわれている。
でもそのほうがカスターニョらしいとかいわれ、冤罪の可能性が高いにもかかわらずその方が面白いエピソードである。
フラ・アンジェリコの敬虔なエピソードと同じである。

それでは(私が見てきたように)想像すると、
どちらにしても、ミケランジェロは1年ほどで絵画の基礎を学び取ったのだろう。
でも真面目な絵画職人気質のギルランダイヨ工房に新しい発展を期待できなかった。
幼い頃に石工の家に里子に出されたらしいので、「三つ子の魂、百までも」ということで彫刻に転向した。

しかし、13,4才はいまの中学生、なんという違いだろう、それに工房に入る前にある程度デッサンが出来ないと入門を許されない場合があるみたい。
ダ・ヴィンチのところで書いた映画で、ダ・ヴィンチの父がヴェロッキオにデッサンを見せて入門を頼んでいる場面があったし、しかもヴェロッキオは授業料のことも話していた。
工房は現在の専門学校も兼ねていたようなものなのか、やはり中学生くらいである程度に描けないと入門も出来ないのだろう。
ということは小学生くらいで基礎的なデッサンを始めているということだ。

今は小学生で何か専門的なことが出来ると特別にみられるが、時代を遡れば当たり前のことだ。
ミケランジェロは中学生くらいでメディチ家に庇護を受けるほどの才能を現わしたということだ。

普通科高校なんて中学の繰り返しで、技術を身につける大切な時間を無駄にしているだけ。
勉強は後でもできる、技術こそ運動能力に関わるので、若い時でないと遅きに失することになるのです。
職人技も、バイオリンやピアノを若いうちからやるのと同じです。
本当は小学校後半から専門化しないと遅いくらいに思っている。

それに、小・中・大に高さが入るのは、そもそも意味がわからない。
まあ、真剣に考えることもないですか、もう所詮他人事ですし、自分教育のほうがずっと大事だから。

解説の高階秀爾は引用して、ドラクロアいわく、

「ミケランジェロは彫刻家であるよりもむしろ画家だ」。