今日は、聖なる画家「フラ・アンジェリコ」。
天使のごとき画僧ということで、この名があたえられた。
今回は上半分では絵が中途半端なので全体をつなげました。
修道士になる以前にすでに画家となっていたらしい。
初期にロレンツォ・モナコから写本細密画を学んだので、少し中世風の装飾性が特徴となっている。
修道会の祭壇画の仕事が多いので、ボランティアで描いていたと思われていることがある。
アンジェリコについて、「名誉もお金も望まず、信仰のために描いた」と書いてあるものが多いが、事実はかなり違っていたらしい。
画料はその時代のトップクラスの契約書が残っている。
天使のごとき画家は経済的にもシッカリしていて、普通の画家の倍以上の料金をもらっている。(その価値以上の絵は描いているけどね)
そのうえ修道院長という役職にも就いている。
さすがに大司教の地位は断ったらしいのですが。
その頃は絵具の顔料や金箔は高価なものなので、材料費もしっかりと契約書に書いてある。
顔料によっては宝石のようなものなので、金箔何グラム以上、上質のラピスラズリ何グラム以上と使用する質と分量が決められていたのだ。
絵画も工芸品と同じように材料費はかかっているし、額などは工芸品そのものだ。
今は、絵画は材料費と価格との関係は、ほとんど比例していない。
少しはそんなことも考えてもいいと思うのですが。
フラ・アンジェリコについて、饗庭孝男は短くいわく、
「魂の光学」。