外に無く、内に有ること。

美を感じること、自然に生きること。

理科系より、「ヨハネ黙示録」へ。

2010-03-23 11:42:49 | 日記


今日は、私の進路を決めたと言ってもいい画家「デューラー」。
線描においては、彼に匹敵する人はいないと断言します。

高校一年の秋の終わり頃、学校帰りに本屋を覗くと、別冊アトリエ「イラストレーションの学び方」という本がありました。
その頃は、私の通っていた高校では高二から理科系・文科系に進路が別れるのですが、担任に「お前の成績では理科系は無理」と言われ、志望していた理科系を断念した頃。
まあ、実際は理科系・文科系は名目で、本当は学力別にふたつに分けて教育の効率を謀ろうと言った感じなので、高一である程度将来の進路を考えないといけないことになった訳です。

そういう状況で私の眼に飛び込んできて衝撃を与えたのが、「イラストレーションの学び方」に載っていた、デューラーの木版画「ヨハネ黙示録」連作の一枚がこれ



「すごいぞ、これは」と思い、これがイラストレーションと思い込み、まあ、そうは違いないのですが、それを目指そうを思ったのです。
今であれば、すぐその本を買うところですが、本を買うという考えも金も持たない頃、毎日学校帰りに本屋で立ち読みして、その絵を眺めていたのです。
そのうちに、本は本屋から消えてしまいました。
後々高校の図書館の書庫に画集などが揃っていることを知るのですが、その頃は知りませんので、本屋で絵を記憶して、授業中にそれ風な絵をノートに落書きしていたのです。
そしてその延長線上に今の自分がいるのです。

版画と比べて、デューラーの油彩画は自画像以外、ものすごく感動するということはないのですが、宗教改革の中で生まれた傑作「四人の使徒」だけは別格。
人物の圧倒的な存在感で、キリスト教宗教画のなかでこれだけ人間の力強さを現わしたものはないと思わせるもの。
どちらかといえば、禅の道釈画に通ずるものを感じる。

私が師と呼ぶとしたら第一に挙げたいのが「デューラー」ということです、が少し、その時の志しを忘れていました。
不実な弟子をお許しください。