今日は「シモーネ・マルティーニ」ですが、だれかお忘れではないですか?
そうです、残念ながら先生の「ドゥッチョ」がファブリに入っていないのです。
チマブーエとジョット、ドゥッチョとマルティーニは師弟関係で切り離せないのにね。
良い弟子を育てると名を残すということです。
なぜドゥッチョが一冊で出ていないのかは、弟子のマルティーニが羊飼いではなかったからか?
ジョットに比べるとマルティーニの力不足は仕方ないし、伝説もない。
雪舟も涙でネズミを描かなければ、これだけ一般には広まってはいないだろう。
個人的にはマルティーニは日本人好みの装飾性と叙情性があり、クリムトとの共通性を感じます。
この4人がイタリアルネッサンスの曙に出てからは、一世紀ほど突出した画家は出ていないようです。
ジョットの画風を引き継いで、少し面白い立体的空間が見られるものもありますが、ファブリでは次は天才マサッチオを待つことになります。
ファブリには解説の冒頭に評論家の画家に対しての格言のようなキャッチフレーズが載っているのが好きです。
マルティーニに関して、佐々木英也いわく、
「風俗的描写から「詩」への跳躍をなさしめたもの、
それは彼の音楽的感覚である」
ついでに、
チマブーエに関して、吉川逸治いわく、
「絵画はチマブーエによって新しい生命を得た」(ヴァザーリ)