渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

ライターは1620年代から。マッチは1830年代から。

2020年08月04日 | open
 
ライターである。
ライターの完成形、アメリカのジッポーだ。
MC8Cの公式ロゴは私のルーター手彫り。
 
世界で初めてライターを実用化したのは
日本人だ。江戸時代初期、寛永年間には
登場しており、盛んに職人によって作ら
れていた。それは鉄砲火打と呼ばれた。
1620年代、世界初のライターは日本人
が発明した。



マッチの実用化は1830年代のアメリカだ。
これまた凄い発明だ。


そして、1975年、その少し前にフランス
で発明された使い捨てライターを圧倒的な
低価格で開発したのは、やはり日本人だっ
た。いわゆる100円ライターである。
新宿の東海精器が開発した使い捨てライ
ターはチルチルミチルという商品名で全
世界に普及した。
1980年代中期あたりまで、海外にこれを
持って行くと大変珍しがられて喜ばれた。
まだ、持ち込み個数制限が無かったので、
よいお土産になったりした。


日本人はいろんな物を作り出す。
クラフトマン王国日本。
世界初のライターは日本製ということは、
あまり日本人にさえ知られていないよう
に思える。
まあ、火打石なんてのは昭和初期まで
使っていたしね。
鉄火は神聖なので、江戸時代や明治時代
には、大工が仕事に出る時におかみさん
がカンカンと亭主の背中に火花を飛ばして
厄払いをした。
チルチルミチルが登場したのは1975年だ
が、1976年の私が高1の時にはボチボチ
と普及し始めていたものの、まだマッチ
が主流だった。
ライターは電子式はまだ登場しておらず、
フリント式だったので、ライターの事を
ツッパリたちは「テッカリ」と呼んでい
た。「おう、火貸してくれ。お、テッカリ
かあ」てな具合に。
マッチが主流なので、みんなあたり前の
事だがマッチを擦るのは日常的でお手の
もんだった。
まだパチンコも手打ち時代なので、パチ
打ちの際には左手片手で手の中で箱を
開けて左手だけでマッチを擦ってタバコ
に火をつけていた。高校生でさえそうだ。
私が初めてダイヤル式パチンコ台を打った
のは神田神保町の人生劇場だった。
まあ、昔の人間は、年齢関係なくいろんな
ことができた。
バイクも二人乗りしていて、走っていて
疲れたからと途中で走りながら前と後ろ
で入れ替わって運転交代することも私と
クラスのMはよくやっていた。
直進は左右どちらにも傾くが、ジャイロ
効果で「見かけ上」は安定するので、案外
走行しながらの前後運転交代は簡単なの
だ。
ただ、当時、ウイリーやアクセルターン
はよくやって遊んだが、ジャックナイフ
という技は未見だった。存在さえしなか
ったかも知れない。
 
ちなみに、小学生の頃に爆竹や花火に火を
つけるのは当然にしてマッチだった。
理科実験室のアルコールランプに点火も
マッチだ。
マッチは便利だ。
その箱は喫茶店はじめいろいろな店舗の
宣伝広告にもなった。
中学高校の頃は喫茶店マッチの箱を集める
のが趣味で、ダンボール箱何個分かのマッ
チ箱を持っていた。ことある事に喫茶店に
行っていたから。
今のようにマックやケンタッキーがあれ
ば、多分そちらに行っただろう。
 
喫茶店では、赤羽に悪趣味な喫茶店があっ
た。
高校帰りにツッパー仲間でそのサテンに
寄った。
席の後ろにはでかい水槽があった。
みんなでコーヒーやレスカ(笑)を飲んで
ダベっていたら、店の人が水槽の魚の所に
来た。
ドバドバッと金魚を大量に入れてる。
おー、金魚も泳がすのかー、なんて皆で
言ってたら、先にいた魚がもう狂ったよう
にその金魚たちに食いついて丸呑みしはじ
めた。
「げげげー!」とか席にいた全員がぶった
まげた。
Tという奴は、「俺、なんか気持ち悪く
なってきちったよー。帰んべよ」と言い
出した。
暫くしたら皆で店を出た。
翌日、学校でその喫茶店の事が話題になっ
ていたら、何人か行ったことあるらしく、
知ってる知ってるとなった。
悪趣味だよなー、あれは、てな具合で。
 
高校の頃、密かに話題になっていた喫茶店
は、上野御徒町の「レナ」だ。
そこはごく普通の純喫茶だ。
しかし、壁は鏡張り。
しかも、ウエイトレスは美人ばかり。
そのウエイトレスの服は・・・。
チャイナドレスなのだ。
それはもう、超サイドハイカットだったり
ミニだったり。
足元はチャイナ靴ではなくピンヒールだ。
ごく普通の喫茶店でそれである。
これはうちの男子校では話題になってい
た。
 
その後、成人後にある雑誌編集者と会って
ある件で取材を受ける事になった。
電話で、どこで待ち合わせましょうかと
なった時、上野だったので、「レナって
喫茶店ご存知ですか?」と言うと、先方
の編集者は「知ってます、知ってます。
ウヒャッハッハ!」となった。
あー、あなたも、とか思っただよな。
それと全く同じ経験を学生時代の友人
経験したらしい。
仕事の打ち合わせだったが、やはりレナ
を先方に告げた
ら「ウハハハ」と笑い
ながら知ってると
なったらしい。
1980年代中期の事である。
 
あ。
おれ、レナのマッチ持ってないや。
なぜだ!?
マッチどころではなかったのか。
いや、一個だけあったような記憶がある。
ルパン三世のような書体で横置きで右下
に小さくレナと書かれていた。
 
この記事についてブログを書く
« うちのトラ | トップ | エネミー アンド アライ »