渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

不思議な刀

2021年04月22日 | open


返す返すも不思議な刀だ。
差し表と差し裏でこんなに表情が異なる。
たばさむ者の側の内側は紅蓮の炎で燃え
盛るが、表はさざ波さえ立たぬ静かな海
の面持ちを見せている。
これ、まるで月影を映せしも月の姿が
あい分かるかの如き海面(うなも)の景色
にて、まことに清冽至極にて御座候。
澄み亘る青き透徹とはまさにこのこと。
作りし鍛冶師はいずこの名人なりし哉。

慶長以降の寛永新刀だろうが、鉄(かね)
はとても古い。
私の差料の一。

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