渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

鎧通し

2021年12月30日 | open


太刀も刀も脇差も主たる戦闘武器
ではないが、合戦の時に槍と同じ
く殺傷目的だけで作られた刀剣が
ある。
それが鎧通しだ。
これはサスガから発達した小さな
刀で、柄を下にして右腰に差した
ので「馬手差(めてざし)」とも
呼ばれた。
組み合いの近接戦での刺突刺殺用
の武器だ。
これで鎧の隙間から急所を刺しえぐ
り、そして首をかく。
完全に殺人目的の刀剣。
そのため、長さは脇下の長さより
も短く、九寸五分以内で、身幅は
刺突に適したように2センチ程度
だ。
また、頑丈さを出す為に重ねは
厚く、元重ねが1センチを超える
も多くある。

私は太刀や打刀を見ても何とも
ないが、鎧通しを実際に見ると、
どんな優美な名品であれ、背筋
に寒いものが走る。

国宝粟田口吉光。通称厚藤四郎。


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