地元三原の友人が愛用するナイフが刃こぼれした。
地元では私以外に二名が私のナイフレビューを見て同じナイフを買い求めて
所持し、仕事での段ボール処理や荷解き、趣味の釣りなどで使いまくっている
そうだ。夏のキャンプでもそのナイフは活躍したらしい。
友人のナイフを見せてもらったら、とても使い込まれた用の美が見られて、
なんだか嬉しくなった。
古い日本刀を徒に物斬りに使うのは如何なものかと思うが、ナイフは実用品
なので使うに限る。特に安価で供給されるファクトリーナイフは実用こそが
大前提であるので、使ってあげてこそナンボだと私は思う。友人の使い倒された
ナイフを見て、私はニヤリとなった。
日本刀を初心者の方や「どうしても刀が欲しいけど予算の関係で」という人たちの
ために入手し易い破格値設定で出血(という言葉は物が物だけに使わないが)販売
している刀屋さんの刀を「安価だから丁度いいや」と物斬りに使うために買い求める
のは、私個人としてはどうかやめてもらいたいという気持ちがある。そんな目的の
ために刀屋さんは良心価格で提供しているのではないからだ。
「そんな刀屋があるのか」と問われれば、ある。それを察知できるかできないかは、
ひとえに刀に接する側の問題に属すると私は考えている。
刀が泣くか泣かないか、儲けを超えた刀屋の思いがつかめるかつかめないか、
それは所持する側にかかっている。
武用に使う刀かそうでないかの線引きは難しい問題を含むが、日本刀を所持する
方々はよくよく吟味してほしいと願う。
一方、ナイフは基本的にすべて実用だと私は思っている。
非常時にはラブレスのナイフでも缶切り代わりに私は使うだろう。
友人のナイフも実用に供されている。
ただ、梱包の荷を解いた時なのか、はたまた何かの拍子に硬い物を切断したのか、
刀でいうとフクラから物打(ものうち)の部分にかけて二か所刃こぼれができていた。
詳細に見たら、厳密にいうと刃こぼれではなく「刃まくれ」だった。
使い込まれているので刃先も甘くなり、ティッシュがよく切れない。
私が研いで刃をつけてあげることにした。
ナイフを預かってきたので昨晩研いだ。
砥石はキングの赤レンガの1000番だ。
友人に刃付けの希望を訊いたら、木工工作用ではないとのことなので、
荒めの1000番でよいだろうと判断して了解を得た。
私の赤レンガ。
刃まくれの食い込み疵二か所を除去するためブレードはやや細くなったが、
完全にまくれ疵はとれた。
刃先だけを研ぐと小刃の幅がそこだけ狭く(というかなくなる程)なので、左右とも
元から先まで新たに小刃部分を新規に手研ぎで作り直す成形となった。
元から先まで白く光っている部分が小刃部分。
そこそこに友人が希望する刃付けはできたと思う。
炭素鋼でなく、マルテンサイト系ステンレス材でも水砥石で刃が付く。
私はオイルストーンではなく、すべて天然もしくは人造の水砥石で
刃物を研いでいる。
正しいか誤りかはわからないが、ナイフもすべて水砥石で刃をつける。
刃が付くのだから、それでいいと私自身は思っている。
オイルストーンはタッチアップの時以外は使わない。
水砥石だけでよく切れる刃物にできるのだから、これでいいのだ・・・・・ろう(^^;
メンテナンスとしてナイフの可動部分にはこのオイルを含浸させておきました。
発動機のほうではなく楽器屋としてのヤマハ製の楽器用オイル。
サックスやトロンボーンやトランペットの可動部分用の専用潤滑油です。
バルブオイルという名前のようです。100%化学合成のオイルなり。
ヤマハのバイク用みたいだね(笑)。
ヤマハの純正2ストオイル(青)って結構品質が良かったのですよ。
私のRZ350とRZ250Rにはヤマハ純正ではなくベルレイを、
レーサーTZ250にはカストロールを使ってましたけど(^^;
街乗り用は、俺による心臓や肺や器官のいじくりではペンゾールは
あまり良好な結果が出なかった。燃焼効率とポート研磨理論等がかみ
合っていなかったのかも知れない。
レース用のカストロなどの植物油は酸化するので1回で使い切りだけど、
こちらは心臓周りを腰下まで毎回割るから問題ないのよ。燃焼性の問題から、
サーキットでは植物油の方が当時は良かった。
この画像のオイルは楽器店で購入した楽器用です。大きさは目薬の
ボトルよりちょっとでかいくらい(笑)。それ考えると、レーシングオイル
よりも超高い~(笑)。
18年間ほったらかしのこの共柄小刀、火造りしたままだから完成させないとなぁ。
なまして常温で組織が安定する状態にしてあるから置いてても支障はないけど。
(折り返し鍛錬は二代目小林康宏)