けい先生のつぼにくる話

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柴胡剤 ストレスからくる疾患 3.

2008-02-01 01:09:28 | 東洋医学全般
第3回を書くのが遅くなってしまいました。
1.と 2.ではこの柴胡剤が適応される体の状態をご説明いたしました。
今回からはここに載っていつ方剤一つ一つのお話をしたいと思います。

上から説明をするか下からするか迷ったのですが、したから説明したいと思います。
現代人の多くはストレス社会に居りますので、疲れている方のほうが、ギンギンに元気な方のほうよりも多いようなので、虚している、心身をすり減らしている方に適応する方剤から始めます。

まず一番下の補中益氣湯(ほちゅうえっきとう)です。
これはアメリカの東洋医学校では脾氣虚証とうカテゴリーに入れられていて、柴胡剤のカテゴリーには入っていません。アメリカの東洋医学界は30数年前にニクソン大統領が訪中したあとに、東洋医学の導入を急ぎすぎたので、薬剤や鍼灸の考え方に誤りが多く見られます。
まあ、学問的な認識の問題が多く、患者さんにとって危険なことではないので、あまり目くじらを立てる必要なないでしょう。

さて、補中益氣湯はとにかく疲れた時につかいます。それも急性の疲労や、徹夜でマージャンをした時というのではありません。
何年もまいにち残業に追われて、ちゃんと寝ていなくて、横には意地悪なセクハラ上司がいて、同僚の御ツボネさまにも可愛がられていない方。そして、生理のサイクルなども狂ってしまったような方によろしいです。累積された疲労と怒気がそうさせるのです。

あるいは、大手術の後や、ご出産の後の疲労回復に使います。養命酒のようにじわじわと効いてきます。

そういえば「補中益氣湯ドクター」という言い方が業界にはあります。これはヤブというよりは無能な医者で、患者さんの見立てが下手なので、いつでもこれを出す先生という意味です。私たちはいつも皆様にそう呼ばれないように努力しているつもりです。。。。。。
こんなことを書いてしまうと、今度本当に補中益氣湯が必要な患者さんにこれを出したときに、見立てを疑われてしまうかなあ。。。。

日本伝統鍼灸漢方

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