けい先生のつぼにくる話

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鍼灸、漢方薬は何に効いて、どんな治療をするのでしょう

2006-11-25 15:44:00 | 東洋医学全般

鍼灸、漢方薬治療は、ほとんど全ての疾病に根本的或いは補助的な効果が期待できます。もちろん治療をする人の腕のよさにもよるのですが、、、、

一般的には鍼灸は筋骨の痛みやコリ、漢方薬は内科的な疾患にだけ効くように思われがちですが、簡単に言えば、鍼灸、漢方薬のどちらも、急性の病や怪我、たとえば急性虫垂炎(盲腸)や、骨折などで即、手術が必要な場合以外の症状は、たいてい対応可能です。
また、病院で何らかの手術を受けたあと、可及的速やかに本復させるような治療をすることができます。

東洋医学は、むしろ病を診るというより、どうしてこの患者さんはその病にかかるような体になったのだろう?ということを突き詰めてゆくのです。もちろん病名別に患者さんを診ることもありますが、必ず根本治療、本治法といいますが、これを行います。まずは病名よりもその患者さんの体質や現時点のアンバランスを見つけ出して調整をするのです。

たとえば、とてもイライラしていて、眠れない女性が来院したとします。西洋的には「神経過敏」とか「不眠症」という病名をつけて、精神安定剤の類とか、睡眠薬を飲むことになるのでしょう。でもこれは治ったというより、「症状を止めた」ということでしかありません。

東洋医学的には例えば、おなかを診て、脈を診て、舌を診てそして背中を診て、患者さんに問診をしてから、患者さん一人一人の状態を分析して治療法を決定します。病名を一つ一つつぶしてゆくのではなく、
その病になった体の状態から診て行くのです。

たとえばこの上記の女性を調べると、強い冷え性があったとします。概してそのような方には強い生理痛ある場合が多いので、それを確認します。もしそうであれば、この患者さんは足が冷えていて、下半身に留まっていなければいけない熱が上半身にあがってしまい、頭や精神がいつでもオーバーヒートしていて、これでは当然イライラしやすいし、眠れないだろうと判断します。熱が上に行ってしまっているので、下腹部の方は冷えてしまい、重い生理痛が起こるのです。

そこで私たちは膝や足にある経絡に分布するツボや血の流れをよくする漢方薬を使って、下半身を暖めます。
そうすると下半身にあるべき熱は、しっかりとそこに留まるようになるのです。いわゆる頭寒足熱の状態です。
こうなると必要以上に溜っていた上半身の熱はなくなるので、イライラや不眠になる理由がなくなってしまうわけです。結果的にイライラと不眠で来た患者さんは同時に冷え性と生理痛も改善されて、健康を取り戻されるという寸法です。西洋的には4つの病ですが、東洋的に観たら「冷えからきた一つのアンバランス」という状態とされます。
簡単に説明しましたが、これが東洋医学的なアプローチの一例です。


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