けい先生のつぼにくる話

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女傑 ハイリスさん (前回のナンバープレートのお話の続きです。)

2014-10-25 11:48:55 | 雑記

これも鴻慶楼の豉子雞です。これ大好きです。


例の言葉を実際に使ったお話です。えれーことになりました。

30年近く前の事です。24歳のときでした。
私はある日本の会社の命を受けて、中国内蒙古自治区のフフホト市に半年くらい滞在していたことがあります。当時そこには日本のオルガンや簡単な電子機器のノックダウンの製造工場などがあって、外貨の乏しい内蒙古自治区は私の分野である漢方薬などで対価とする、いわゆるバーター貿易が盛んに行われていました。

そのときは、当地の政府から私のアシスタント兼監視役?として、内蒙古大学を首席で卒業したモンゴル族の女性がいました。彼女の体格は私より頭一つ大きく、丸顔で馬のようにたくましく、仕事のよくできるスーパーレディでした。ハイリスさんといいました。ハイリスはモンゴル語で楡の木という意味だそうです。

ある日フフホト飛行場で豪雪のため北京行きの便がすべて欠航となったのです。
皆が電話機に殺到して、やっと私の番になって電話をかけていると、地方巡業に来ていた上海の歌舞団の連中が私から受話器をもぎ取り、「どけ!この小モンゴル人!」と罵ってきました。私も即座に「なにをするか、漢族のくそ芸人がぁ!CAO NI MA!」とやってしまったのです。。
歌舞団の連中は私に襲い掛かってきました。女性の団員さんは金切り声で「みんな中国人同士でしょう!喧嘩しないで!」と叫んでいます。目の前の二人が私をつかんで殴ろうとします。私もその手を払ってけり返そうというときです。

ハイリスさんが私たちの中にドウッと入ってきて、歌舞団の男性二人を両腕で抱きとめて、前にズイッズイッズイッと押して行ったのです。すごいチカラだ!一人で大の男2人を3-4メートルも押し込んで行って、周りの人たちも後ずらさせて、みなが唖然としているところで彼女は言いました。

「わたしたちは中国人ではありません。モンゴル族です。そこの方は日本からの外賓です。私は内蒙古自治区共産党の幹部のハイリスといいます。ここで引いてもらいましょう!それとも話を大きくしたいですか!」と啖呵を切ったのです。(あ、、ハイリスさんは若いのに幹部だったんだ。。。)

上海の歌舞団の連中は周りを見回し、モンゴルの地で、やじ馬に囲まれて、更にこの状況で漢族が暴れるのはかなり不利と判断したのか、すごすごと立ち去ってゆきました。

皆が立ち去ったあと、きっとハイリスさんに怒られるだろうなあと、首をすくめて彼女が口を開くのを待っていると。。。
「私、、楽しかったです。。実は私も漢族は嫌いなんですよ。胸がスッとしましたよ。。黒谷さん」ときたものです。彼女みたいな人を女傑というか豪傑というのでしょう。

モンゴル女性の偉大さと、中国の自治区における少数民族の心情を垣間見ることができました。

彼女にはご主人と2歳になる娘さんいましたが、みんな元気でいるかなあ。
いまは内蒙古自治区も大発展しているから、大物女性実業家にでもなっているかもしれないですね。

桂小金治に頼んで探してもらいますか。。。

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