けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
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東洋医学ことはじめ

2006-11-19 04:59:15 | 東洋医学全般
約1500年ほど前、当時の中国医学は隋、唐の時代に仏教、律令、易経などとともに日本に伝わりました。ちょうど欽明天皇の時代にあたります。これらの文化は当時の摂生であった聖徳太子によって日本中に普及されました。そして日本古来の文化と融合しあって、日本伝統医学として発展しました。

いわゆる中国伝統医学(TCM)と日本伝統医学(TJM)はどこがちがうのでしょう?私はよく寿司とディムサム(ヤムチャ)のちがいだよと答えています。どちらも強烈なアジアのテイストを残しながら、独立している。そしてどちらもとてもおいしい。優劣を比べることはできないのです。

さて、これら東洋医学は西洋医学とどこがちがうのでしょう?
たとえば漆塗りの芸術品のお盆(人体)にお正月のお餅(病気)がくっついて乾いてしまって取れなくなりました。西洋医学ではたぶんメスやノコギリ、レーザーなどでお餅を手術して取り除くでしょう。
病は治るけれどもからだに疵(きず)がついてしまうかもしれません。

東洋医学はお盆をぬるま湯につけておいて、お餅が柔らかくなるのを待ってから、手で摘み取ってしまいます。誰も傷つくことはありません。体質のほうを変えてしまおうというわけです。
それで芸術品のお盆は安泰、病人はバンザイというわけです。

逆子の妊婦さんがいらっしゃいました。多くの方々はマッサージや体操をして物理的に胎児を移動させることを考えます。へその緒が首に絡んだらどうしましょう。あるいは一気に腹を切りますか?
大丈夫でしょうか?

東洋医学ではもちろん患者さん一人一人の治療の仕方がちがうのですが、多くの場合、足の小指にお灸をします。お灸というのは乾燥したヨモギという植物(草もちに入っているあの植物です)を燃やして、その熱で必要な場所を暖める方法です。そうすると胎児が自分で動いて下向きになるのです。
お医者さんのビジネスチャンスはなくなりましたが、手術代は不要、ママはバンザイです。

胎児のいる子宮と足の小指にどんな関係があるのでしょう?西洋の解剖や神経医学では説明ができません。何で足の小指を暖めて逆子が治るのでしょう?

そこで出てくるのが「氣」の思想です。氣功の氣とか、バイタルエナジーなどと訳されています。
東洋医学では世の中の全てのものは氣からできていると考えられています。もちろん小宇宙である人体も氣からできています。
氣の流れがよければ病気にはならないし、病気は氣の流れがよくなれば治ります。

日本伝統医学の治療家はこんなものの見方を身につけるために、易経を学んで陰陽の哲学を研究したり、座禅を組んだり、古典の医学書を読んで東洋的な宇宙を体感します。

日本伝統医学のもう一つの特徴は、鍼が極端に細く「痛くない治療」ができることです。
日本ではむしろ痛い鍼は効かないと断言されているほどです。

私はこちらの東洋医学の学校でも教えていますので、学生だけでなく多くのアメリカの皆様に、私たちの文化の一部でもある日本伝統医学(鍼灸漢方)を知っていただきたいと思います。私の診療所ではいつでも東洋医学体験コースをおこなっています。お気軽に連絡をしてください。
コメント (2)
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