荻窪鮫

元ハングマン。下町で隠遁暮らしのオジサンが躁鬱病になりました。
それでも、望みはミニマリストになる事です。

伊東屋の巻。

2015年07月15日 | 聖なるブログに名も無きカテゴリを




6月16日、文房具販売界の重鎮・銀座の伊東屋がリニューアルオープンしました。


ビル自体は解体及び新築だったのですが、早いものであっという間に完成・オープンのはこびとなったわけです。

伊東屋の創業は1904年、なんと明治37年だそうです。

明治37年…なにが起きてたのかと調べてみたところ、なんと日露戦争の真っ只中でした。

漱石や鴎外なんかも文房具を買いに行ったのですかねぇ。

僕はガキの頃から伊東屋に出入りしておりましたが、その昔は【メルシー券】なるものがありました。


伊東屋で買い物をしますと、一定の割合で貰える、いわゆる割引チケットです。

実に味わい深いチケットでしたが、残念ながら2009年をもって終了し、現在はメルシーカードというポイントカード制になっております。

ポイントカードを忌み嫌う僕は永遠にメルシーカードを持つ事はないでしょう。

ま、メルシー券も捨ててましたけど。

本日、シャネルに用があったので、はす向かいにある伊東屋に行ってみました。

ずいぶんと贅沢な空間の使い方でしたね。

ドリンクバーだのNomad's Nookとかいうワークスペースだの、無駄なスペースがまことに多い。

もちろん、それが狙いである事はよ~く分かります。

【デザイン】を扱う以上【お洒落】を演出しなければならないのは、よ~く分かるんですが、【お洒落】に媚び過ぎ。

その割に家具なんかVitraばっか。既視感バリバリ。

せいぜい5年前のセンス、下手すりゃ10年前のセンスです。

お店の性格上、来店者にはデザインを生業にしているヒトも多いはず。

もちろん『デザインって何?美味いの?』みたいなジジイ・ババア・中国人も多いですが、そのデザインを生業にしているヒトを納得させるお店を創って欲しかった。

この辺のセンスが、老舗店のボンボン社長の限界なのでしょう。

わざわざ米国・アートセンターカレッジオブデザインの工業デザインを卒業してんのに。

ちなみに平日の真っ昼間、Nomad's Nookを利用しているノマドワーカーはひとりもおりませんでした。

ホント、ジジイとババアと中国人ばっか。

安藤美冬さんよぉ、お得意のSNSで広めてやってよ。

過去の記事。
遊牧民の巻、ふたたび。
トランカーの巻、いつたび。


というわけで、販売しているモノの数が以前に比べて激減しております。

以前は

『伊東屋に行けば、キチンとしたモノがいろいろ選べる』

という安心感がありましたが、現在のお店にはそれがまったくありません。

ハッキリ申し上げましょう。

このリニューアルプロジェクト、大失敗です。

『失敗のうちで最大のものは、失敗を何一つ自覚しないことである』トーマス・カーライル(英国の歴史家・1795~1881)


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