猛暑が続くなか、季節外れですが、多少は涼しさを感じそうなスキーの話題を1つ。スキー専門誌の1つに、『月刊スキージャーナル』があります。同誌の最新9月号は、なかなか興味深い特集「スキーのあなたの常識はまちがっている!?」を組んでいます。
この特集は、スキーの基本的な技術ポイントについて、各分野を代表する7名のトップスキーヤーが答えるという、面白い企画です。私は、スキーの基本は同じであり、答えもほとんど一致するのだろうと思って読んでみたのですが、その期待は見事に裏切られました(笑)。ほとんどの問いに対して、答えはバラバラなのです!
たとえば…
「スキーで一番大切なのは外脚だ!」に対して、○と答えたのが4名、☓が2名、△が1名と、見事に(?)見解が分かれているのです。その他、「クローズスタンスは良くない」については、○が1名、☓が5名、△が1名、「カカト荷重を意識している」については、○が4名、☓が1名、△が2名といった具合です。唯一、全員の見解が○で一致したのは、「ひねり(回旋)操作を使う?」に対する答えのみでした。
こうも「よい」とされる技術が違うと、何が「よい」のか、われわれは迷ってしまいますね。一般スキーヤーは、一体、どのように滑ればよいのでしょうか?
そこで、元ワールドカップのトップレーサーだった木村公宣氏の著書『スキー絶対上達』(実業之日本社、2004年)にも、答えを求めてみました。同書は8年前に書かれたもので、多少は古くなっているのかもしれませんが、参考になると思ったからです。
スキーのスタンスについて、木村氏は、「肩幅くらいあれば、ターン中、身体を傾けても内足を邪魔せずに、外足をスムーズに使うスペースができる」(23ページ)とあります。つまり、スキーの基本ポジションは、「クローズスタンス」ではなく、「ナチュラルスタンス」だということでしょう。「う~ん、なるほど」と思って、再度『スキージャーナル』を見てみると、あるスキーヤーは、こう答えています。「スタンスが広いと両スキーを同時に操作することがむずかしくなるので、クローズスタンスは必要」(31ページ)。「えっ~、どっちなの???」と正直、思ってしまいますね。
荷重ポイントについて、木村氏は、「足裏の親指の付け根にある拇指球と小指の付け根である小指球、そしてカカトの3点を結んだ三角形に圧を加えるように体重を乗せていく」(26-27ページ)ことを勧めています。では、『スキージャーナル』に登場したスキーヤーは、どうなのでしょうか?「カカト荷重というより足裏全体で立つ意識を持っています」と木村氏に近い感覚のスキーヤーもいれば、「つま先でバランスを取って滑るタイプ」や「つま先に体重を乗せる意識は全くありません」との回答も寄せられています。もちろん、「カカト荷重を意識して滑っています」との答えも複数ありました(34ページ)。
以前から、特に基礎スキー技術には「ナゾ」が多いと感じていましが、『スキージャーナル』を読んで、その「ナゾ」は深まるばかりです…(余談ですが、スキー技術のあれこれは、つまるところ「仮説」に該当しますが、それがどのように「検証」されているのか、個人的には興味をそそられます)。結局、スキーは、個人の身体的特性に大きく左右されるスポーツだということなのでしょうかね。
この特集は、スキーの基本的な技術ポイントについて、各分野を代表する7名のトップスキーヤーが答えるという、面白い企画です。私は、スキーの基本は同じであり、答えもほとんど一致するのだろうと思って読んでみたのですが、その期待は見事に裏切られました(笑)。ほとんどの問いに対して、答えはバラバラなのです!
たとえば…
「スキーで一番大切なのは外脚だ!」に対して、○と答えたのが4名、☓が2名、△が1名と、見事に(?)見解が分かれているのです。その他、「クローズスタンスは良くない」については、○が1名、☓が5名、△が1名、「カカト荷重を意識している」については、○が4名、☓が1名、△が2名といった具合です。唯一、全員の見解が○で一致したのは、「ひねり(回旋)操作を使う?」に対する答えのみでした。
こうも「よい」とされる技術が違うと、何が「よい」のか、われわれは迷ってしまいますね。一般スキーヤーは、一体、どのように滑ればよいのでしょうか?
そこで、元ワールドカップのトップレーサーだった木村公宣氏の著書『スキー絶対上達』(実業之日本社、2004年)にも、答えを求めてみました。同書は8年前に書かれたもので、多少は古くなっているのかもしれませんが、参考になると思ったからです。
スキーのスタンスについて、木村氏は、「肩幅くらいあれば、ターン中、身体を傾けても内足を邪魔せずに、外足をスムーズに使うスペースができる」(23ページ)とあります。つまり、スキーの基本ポジションは、「クローズスタンス」ではなく、「ナチュラルスタンス」だということでしょう。「う~ん、なるほど」と思って、再度『スキージャーナル』を見てみると、あるスキーヤーは、こう答えています。「スタンスが広いと両スキーを同時に操作することがむずかしくなるので、クローズスタンスは必要」(31ページ)。「えっ~、どっちなの???」と正直、思ってしまいますね。
荷重ポイントについて、木村氏は、「足裏の親指の付け根にある拇指球と小指の付け根である小指球、そしてカカトの3点を結んだ三角形に圧を加えるように体重を乗せていく」(26-27ページ)ことを勧めています。では、『スキージャーナル』に登場したスキーヤーは、どうなのでしょうか?「カカト荷重というより足裏全体で立つ意識を持っています」と木村氏に近い感覚のスキーヤーもいれば、「つま先でバランスを取って滑るタイプ」や「つま先に体重を乗せる意識は全くありません」との回答も寄せられています。もちろん、「カカト荷重を意識して滑っています」との答えも複数ありました(34ページ)。
以前から、特に基礎スキー技術には「ナゾ」が多いと感じていましが、『スキージャーナル』を読んで、その「ナゾ」は深まるばかりです…(余談ですが、スキー技術のあれこれは、つまるところ「仮説」に該当しますが、それがどのように「検証」されているのか、個人的には興味をそそられます)。結局、スキーは、個人の身体的特性に大きく左右されるスポーツだということなのでしょうかね。