野口和彦(県女)のブログへようこそ

研究や教育等の記事を書いています。掲載内容は個人的見解であり、群馬県立女子大学の立場や意見を代表するものではありません。

グローバル講演会「大学における文系の学び」

2016年06月27日 | 教育活動
先日、群馬県立高崎女子高校にて、同校の1年生対象に、「大学における文系の学び―社会科学、ヒューマニティ、批判的思考―」をテーマとする講演会を行ってきました。



ここで私が同校の生徒さんたちに理解してもらいたかったことは、①「文系」=Humanities(人文科学)+Social Science(社会科学)であり、文系は科学ではないという「通念」は間違いであること、②「批判的思考(critical thinking)」が、大学の学びの核心の1つであることです。

私の講演が、生徒さんたちの進路選択に役立てば、嬉しく思います。

特別講義「インド太平洋と海のシルクロード」

2016年06月20日 | 教育活動
今年度も、山本吉宣先生(新潟県立大学大学院研究科長・教授 元日本国際政治学会理事長)による「特別講義」を実施いたしました。タイトルは「インド太平洋と海のシルクロード」です。この講義では、先生の最新のご研究に基づき、インド太平洋概念と中国の提唱する「海のシルクロード」概念に対する関係諸国のスタンスや政治力学について、詳しいお話をいただきました。



なお、今回の講義の元となった山本先生のご高論は、PHP総研のウェブサイトからダウンロードできます。膨大な資料に基づく実証分析ですので、こうした問題に関心がある方には、きっと参考になると思います。

山本先生には、お暑い中、また、お忙しい中、群馬県立女子大学までご足労頂きましたことに、この場を借りて、御礼申し上げます。


特別講義「グランドストラテジーの発想法」

2016年06月13日 | 教育活動
6月13日の「国際安全保障論」では、川崎剛先生(カナダ・サイモンフレーザー大学)をお招きした特別授業を行いました。タイトルは「グランドストラテジーの発想法」です。



日本では、「ストラテジー(戦略)」に関する文献は、いろいろとありますが、「グランドストラテジー(大戦略)」については、ほんの数えるほどしかないでしょう。厳しい国際政治の世界において、国家がどのように立ち振る舞ったらよいのか、その指針となるようなロジックを確立することは、とりわけ中国が台頭するパワー分布が急激に変化する東アジアにおいて、極めて重要だと思います。この理論と政策のギャップは、何とか埋めなくてはなりません。

この川崎先生の講義は、その意味で、安全保障研究という学術面でも、日本の対外政策という実践面でも、とても意義のある内容でした。なお、今回のご講義のベースとなる論考は、「国際権力政治の論理と日本」(原貴美恵編『「在外」日本人研究者がみた日本外交―現在・過去・未来―』藤原書店、2009年所収)として、既に公刊されてます。




ご興味・ご関心のある方は、ご一読されることをお勧めします。