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たったの5分でわかる国際関係論

2017年08月22日 | 教育活動
私は長年、さまざまな大学で「国際関係論」を教えてきました。そして、この学問に対する多くの学生たちの反応は「難しい」です(最近は「ムズイ」とも)。

その理由は、いくつか考えられますが、とりわけ日常生活では使わない「抽象的な概念」が多用されることにあるようです。ですが、大学の学部レベルにおける国際関係論で最低限に必要な重要な概念やロジックは、突き詰めれば、いくつかに絞ることができるでしょう。そして、それらをシッカリと理解すれば、「国際関係」は、思ったより、取り組みやすいものになると思います。

国際政治学者のスティーヴン・ウォルト氏(ハーバード大学)による『フォーリン・ポリシー』誌ウェブサイトのブログ記事「5分間で国際関係論の学士号を取得する方法」は、この点で、うってつけのエッセーです。私はゼミや授業の導入で、この記事の英語の原文を学生に読ませていましたが、このたび、「ニューズウィーク日本版のウェブサイト」に、日本語抄訳が「5分でわかる国際関係論」として掲載されました。ありがたいことです。これで学生教育が、よりやりやすくなりました(他方、学生は英語読解力を向上させる1つの機会を失ったかもしれませんが)。

ウォルト氏は、国際関係論の概念を5つに集約しています。「無政府状態」「勢力均衡」「比較優位」「誤算と誤認」「社会構成主義」です。これらを頭に入れておけば、国際関係論のファーストステップはクリヤーということになります。

国際関係への理解を深めたい方、国際関係論は難しいと考えている学生は、ぜひ、ウォルト氏の「5分で分かる国際関係論」を読んでください!