新茶の季節になった。お茶は昔から薬といわれている。朝、冷ましたお湯をたっぷり入れた新茶の上に注ぐ。このお湯が熱すぎても
ぬるすぎても困る。『ああ、美味しい!』と感慨深げに言う90代の母親がいる限り、この味を保とうと努力する。
長生きは何歳からかな、と思いながら『長生きできるね』と返事をする。毎年、ポケットマネーで知覧茶を買って来てくれる夫も
満足げに飲んでいる。朝食がすめば、気持ちは制作諸々に向かい、パニックになるのだが、それまでは、結構暮らし向きに集中している。
抽象画は特に、描こうとして描ける世界ではない。自分を超えた不思議ともいえる世界が見えたり、見失ったり....。応援してくれている
人たちのためにもよい作品を描こうとすればするほど、完成が遠のいていく。
二服目のお茶は渋みが増した。もう少し、絵のことを忘れていたい。やっぱりお茶は薬だな。
フォト 『新緑』 2015
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