Kazuko MISAWA World

三沢かずこの青の世界 ー 作品の周辺

杉苔のふわふわの緑

2020-04-16 16:35:39 | アトリエから

アトリエに行く途中、緑に囲まれたベンチに掛けた。もう新緑といえる様々な緑色に目を奪われた。不意に、こんな自然の中に一人きりの状態

だったら、コロナウイルスの心配は全然ないんだなあと思った。ウイルスは人によって運ばれる。自然はなんとありがたいものなのだろう。足

元に目を移す。地面の柔らかい色調の苔が美しい。ふわふわと若緑が浮き上がっている。一二本その苔を抜いた。杉苔だと思う。先端の葉が透

明な緑でロウでできたように艶やかだ。アトリエに着いて、小さな器に浮かべた。

100号大の和紙の作品、仕上げに何か決め手がなくて連日悩んでいた。ブルーとグリーン、これでいけるかもしれないとふと思った。絵の具の

在庫の中から少し渋目のグリーンを出してきて筆にのせた。画面の方からの拒否反応もなく、ブルーとグリーンの色調がひとまず落ち着きを見

せている。三時に帰る予定になっており、結構画面が気に掛かりながらも帰り支度を始めた。肩も腕も治ってはいないのだが、制作を初めてい

る。この痛みが遠いものになる頃、地球上での疫病も落ち着きをみせるのだろうか。

                  フォト     2020                   撮影場所    神戸市  北区

 

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絵は希望を繋げる

2020-02-19 17:23:37 | アトリエから

絵は希望を繋げることができると思う。絵を描き続けながら私自身が励まされている。今まで体調を崩

した時など絵を描き始めることで立ち直ってきた。絵の底に希望がひとかけらでも存在することを願い

ながら制作を続けてきた。そして観てくださる方にほんの少しでも希望が伝わったら嬉しいと思う。何

も大きな力でなくても、綺麗な色のセーターを一枚買うことによって外へ出る気力が生まれるような小

さな気持ちの波でいいと思う。

先日北区の会場で観た『テレジン収容所の幼い画家たち展』から大きな衝撃を受けた。アウシュビッツ

への中継収容所となったテレジン収容所にいた1万5000人の子どもたちの絵画、悲惨極まりない状況の

中での絵の多くは美しい色彩と子供らしい詩情にあふれていた。この子たちに絵を通して生きる喜びを

与えた女性画家のフリードル・ディッカーさんの存在を深く心に留めた。素晴らしい仕事をされた方。

             フォト  2019             撮影場所   神戸市 北区

 

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制作開始

2020-01-30 14:06:34 | アトリエから

肩と腕の痛みがなかなか良くならず治療院を変えた。今は、体の状態の様子見といったところだろうか。早く治し

て以前のように制作を、と考えていたが、ふと思いたち もう治るのを待つのでなく始めてしまおうと思った。一日

中アトリエに行けるはずはなく、せいぜい2時間程度。韓国ドラマにはまっている99歳の母が昼1時からテレビを

見るのに合わせてあたふたとアトリエから帰ってくる。誰でもたのしみはもたないといけない。その時間までにお

昼を急ぎすませる。制作のあとはやはり、腕も肩も重くなっている。友人から、治った自分を想像してその実現を

目ざしてねとアドバイスをもらった。まだまだ想像力が微力かも。今アトリエでは小品しか無理だ。それでも2時

間いると進むことは進む。濃いブルーが変わり、ライトブルーの画面になるかもしれないと予感があったのだが

また、濃いブルーに戻った。どうなるか全くわからない。小品でも一作一作仕上げていけば、来年個展ができる

かもしれない。個展をしている元気な自分をディープに想像して。

                フォト 2020         撮影場所  神戸市 北区

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『momo land 2』 の音

2019-12-22 19:20:47 | アトリエから

雨に霞む冬至の夕刻。帰り支度をしながらまたもう一度と思い木村モモさんのCDをかける。暮れなずむ空の色を

気にしながらなかなか音から離れられない。モモさんの新しいCD、制作の時かけ続けている。少しづつ新作へ気持

ちが向き始め制作も進み始めた。音楽をかけながら制作することに苦痛な時もあったのだが、この師走になってず

っとモモさんの音が近くにある。近くといえば、先日、アットホームな場所でのコンサートの折、なんと弾き手の

モモさんに最接近の場所でギターを聞いた。音はだいぶセーブしてくれていたが、それこそ膝つき合わせの場所、

こちらの方が緊張してしまった。でも身体中にギターの音を浴び続けて、これで元気になる、と自分に宣言した。

本当に日々元気になっている。精神が元気になっているから体もそのうち追いつくだろう。

モモさんの新しいCD、『momo land2』!   今からまた、10年、高みを目指してがんばろう !

                   フォト 2019      撮影場所  神戸市 北区   

 

 

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絵も作者も成長

2019-05-15 08:43:58 | アトリエから

アトリエへの途中、小径の草叢の緑が美しい。新緑の時期は木々の若緑に心ひかれるが、道を歩く人の脇にある緑の美しさも格別だ。帰りを急いで

早足で通る時、肩にイネ科の植物の穂がさわっと触れる感じが植物とのつかの間の一体感のようで嬉しい。葉や茎の明るく柔らかな緑、絵の具でこ

の様々な緑色を表すのはおそらく無理だなと思う。私の絵は青が基調なので、青の中に使う緑ということになるが、それはまた別の表現になる。

先日、私の絵を飾ってくださっている方からお手紙をいただいた。生活の場所の通り道にその絵をかけてくださり、通るたびに日に20回以上も眺め

ていただいているとのこと。白い壁があるので、額に入れないでこのままで飾ります、としかお聞きしていなかったので、絵がその方のところにピ

タッとあっていることを知りほっとした。常に眺められて、絵は成長していくに違いない。作者も然りか。

個展終了後の体調はなかなか戻らない。体力消耗は個展の充実度と正比例するものだ。個展が終わって、次の制作への勘が取り戻せないで困ってい

る。裏庭の泰山木の落ち葉拾いをグズグズやりながら、たくさん拾えて嬉しいと思いながらやるべきなんだろうな、とつぶやいた。

                 フォト   2019              撮影場所   神戸市  北区

  

 

 

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