Kazuko MISAWA World

三沢かずこの青の世界 ー 作品の周辺

杉苔のふわふわの緑

2020-04-16 16:35:39 | アトリエから

アトリエに行く途中、緑に囲まれたベンチに掛けた。もう新緑といえる様々な緑色に目を奪われた。不意に、こんな自然の中に一人きりの状態

だったら、コロナウイルスの心配は全然ないんだなあと思った。ウイルスは人によって運ばれる。自然はなんとありがたいものなのだろう。足

元に目を移す。地面の柔らかい色調の苔が美しい。ふわふわと若緑が浮き上がっている。一二本その苔を抜いた。杉苔だと思う。先端の葉が透

明な緑でロウでできたように艶やかだ。アトリエに着いて、小さな器に浮かべた。

100号大の和紙の作品、仕上げに何か決め手がなくて連日悩んでいた。ブルーとグリーン、これでいけるかもしれないとふと思った。絵の具の

在庫の中から少し渋目のグリーンを出してきて筆にのせた。画面の方からの拒否反応もなく、ブルーとグリーンの色調がひとまず落ち着きを見

せている。三時に帰る予定になっており、結構画面が気に掛かりながらも帰り支度を始めた。肩も腕も治ってはいないのだが、制作を初めてい

る。この痛みが遠いものになる頃、地球上での疫病も落ち着きをみせるのだろうか。

                  フォト     2020                   撮影場所    神戸市  北区

 


桜が満開

2020-04-04 11:41:01 | 日々の思い

満開の桜、夕刻アトリエから脇の桜並木に出ると、ピンクの煙がぼうっと木々の上部をおおっている。少し暗くなりかけた周辺が幻想的な光景

に変わっている。桜は昼間太陽の光の下で見る時と夕暮れや夜に見る時とではずいぶん感じが違う。桜は、コロナウイルス蔓延の騒ぎの昨今に

もかかわらず汚れのない淡いピンクの花びらを空に広げている。講師として行っているカルチャー教室は、またも休講になった。今月からなん

とか再開できるかとギリギリまで迷ったのだが、高齢の方々の参加はやはり難しいものとなった。肩の荷が下りた思いがする。私自身も高齢者

なのでほっとしているというのが正直な気持ちだ。

暖かくなった気候の中、ウグイスがさかんに鳴き声の練習をしている。日毎に上達している。ずっと、「ホーホケキキョ」と鳴いていた。

「キ」がよけいだ。今日は、ホーホケというのもいる。ほかにホーキョという省略型の鳴き声もある。完成型の「ホーホケキョ」はまだ先かし

ら。コロナウイルス蔓延が下火になりますように。ウグイスの声に生きる喜びを託せますように。

                   フォト  2020                    撮影場所      神戸市北区