Kazuko MISAWA World

三沢かずこの青の世界 ー 作品の周辺

尊敬してものをいう

2016-03-22 09:41:27 | 日々の思い

家族の早朝出勤のため、今朝の資源ゴミはかなり早めに出した。ちょうど、朝陽が輝いて昇り始めた。私の影法師が長く長く、道のはるか向

こうまで伸びている。わあ、大きい、足長い ! と嬉しくなった。こんな影法師、随分長い間見ていなかった。ワクワクと家の門扉を開けた。

見ると、玄関脇に、ふくらんだゴミ袋が置いてある。母親が抜いた庭の草が詰まっている。重い。規定の5キロを超えている。はこべの根に

ついた土も一緒に入れてある。先日も置いてあったので、袋の中身を全部出して乾かしてから、土を除け草だけ入れ直したのに。また、ま

た、別の袋。

ムカッときかかったが、ちょっとだけ、ワンテンポ置いた。草取るだけで精一杯だったのだろう。ゴミ出しまで気が回らなかったのだろう。

90代の半ばで、草を抜いてくれるだけ、すごい、と考えた。

プロサッカーチームの監督が、テレビで語っていた。相手を尊敬してものをいう、と。とても大切なことを教えられたと思った。

袋から中身を出していると、玄関のドアが開いて母親が聞いた。土、いっぱいついてた?と。それほどでもなかったよ、と結構冷静に答えて

いる自分がいる。

 

       

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月と星

2016-03-21 21:14:16 | アトリエから

夕方、残った絵具をひたすら画面に塗っていたら、視野の端の方に何か光が感じられた。窓の外を見上げると月が出ていた。もうこんな時間

だと気付かされた。帰り支度を始めてまた、作業室に戻ると、空の浅葱色をバックに月が、黄金色に輝いていた。程よい距離を保って光る星

も。金星だと思う。多分。この光景は久しぶりだ。制作の方は、さほど進まなかったけれど、今日の仕事は終えた、という気分になれた。そ

れにしても完成までなんと遠い絵なのだろう。でき上がったと思った絵が次の日にアトリエに行くと、全然でき上がっていない。昨日の自分

の眼は一体なんだったの。毎日、毎日、あきらめない、くじけないの精神で仕事を進めている(進めるしかない)

月と星の光景は、家に帰り着くまで、頭上に寄り添ってくれた。自然に救われる。ありがたい。今年の個展が、東京、日本橋と兵庫県の西脇

市との二カ所になった。遅い筆だけれど、自分を信じて全力を尽くすしかないですね。

 

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子どものこころに抽象画

2016-03-16 17:27:35 | アトリエから

子どもたちのこころに抽象画が届いた、と強く感じたのは、2011年の長野県のおぶせミュージアムでの個展の折だった。2つの展示室とロ

ビーに置いた3冊の感想ノートに子どもたちがびっしりと感想を書いてくれた。何だかわからないけど、よかった、とか、こんな絵初めて見

た、すごい、とか、『生きる』という絵に元気をもらった、など、など。私の知らない所でこんなにもたくさん感想を書いてくれて嬉しかっ

た。日頃、抽象画(いかにも難しそうな名称)が分からないと周りの大人の方々にいわれることが多いので、子どもたちにこんな感想をもら

えるのは意外だった。そして、大いに勇気をもらった。そのノートは、今でも宝物のように保管している。

花畑や、風船や、公園などをパステルカラーで描いてあるイラスト的な可愛い作品だけが、子どものこころに届くとは限らない。子どもたち

には生きるためのエネルギーの存在がわかるのだ、もしかしたら、大人が頭で考えて難しいと思うことなども、スッと直感の力でつかみ取っ

てしまうのかもしれない。

東日本大震災の直後の5月20日から始まった個展だった。被災地からおぶせを訪れる人も多く、地震の話題が交わされた。地震の時に仕上げ

ていた作品に、多くの方が、惹きつけられると語ってくれた。その作品のタイトルは、『生きる』

 

 

                 レンガ板にアクリル画  20×20cm  部分  2011

 

 

                           

 

 

 

 

 

 


気分は変化するもの

2016-03-14 09:36:20 | 日々の思い

今朝から寒い雨、少し暗い。気持ちの塞ぐことなどが夕べあって、まだ尾を引いている。こんな時の雨はより気分が下がってしまう。お風呂

の掃除もしたくないな。でものろのろと立ち上がって始める。雑巾を絞る気力もダレ気味。でも何とか動作を続ける。少しづつ、掃除の作業

に気分がのってきて終いには、たまにしかやらない天井や壁のアルコール殺菌のためのスポンジモップをかけたりした。その後ものってきて

リビングに掃除機を一気にかけた。爽快感がみなぎってきて、こうしてブログの文章にまでたどりつく。

やはり気分は、どんどん変化していくものなのだと実感。ずるずると、思いを巡らせて暗くなるばかりでなく、次の動作をすることによって

固まった考えが解放されていく感じがする。

この気分というもの、快も、不快も常に入れ替わっている、と仏道を説く小池龍之介さんの本にある。それが、無常という道理に結びつくよ

うだ。難しくなってきた。こちらの気分も、また、重くなってきている。この辺で、文章をやめて、アトリエへ行こう !

 

 

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追い込み

2016-03-05 20:11:39 | アトリエから

ようやく、一段落できた。外国での展覧会の話をすべてお断りした。先方にも理解していただき、ほっとしているところだ。20年

近くも続けてきた海外個展や、アートフェア出品を取り敢えず終了させた。が、先のことは全くわからないので、正確には、休止

させたというところか。高齢の母親を、海外個展中、一人で留守番をさせることができなくなった。もう一つの理由は、まだ体力

のあるうちに、50号、100号の大型作品を一枚でも多く制作したいという考えからだ。海外展では、どうしても輸送の関係から、

大型作品を避けてしまう。今しかないだろう。大きな作品に力を注ぎ込めるのは。

細々でもいい、海外の展示を続けていこうと考えていたが、家族の事情を主に据えると、その考えも、迷いなく変えることができ

た。一回、一回頑張ってきたのだろう。何だか、悔いもなく、スッキリした気分の休止! だ。

今年からは、国内で頑張る! と自分自身に宣言している。こうしてネットでも宣言している。迫りくる東京の個展、追い込みの毎日

だ。明日、また、アトリエで絵に向かうのみ。

 

        

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