Kazuko MISAWA World

三沢かずこの青の世界 ー 作品の周辺

絵は希望を繋げる

2020-02-19 17:23:37 | アトリエから

絵は希望を繋げることができると思う。絵を描き続けながら私自身が励まされている。今まで体調を崩

した時など絵を描き始めることで立ち直ってきた。絵の底に希望がひとかけらでも存在することを願い

ながら制作を続けてきた。そして観てくださる方にほんの少しでも希望が伝わったら嬉しいと思う。何

も大きな力でなくても、綺麗な色のセーターを一枚買うことによって外へ出る気力が生まれるような小

さな気持ちの波でいいと思う。

先日北区の会場で観た『テレジン収容所の幼い画家たち展』から大きな衝撃を受けた。アウシュビッツ

への中継収容所となったテレジン収容所にいた1万5000人の子どもたちの絵画、悲惨極まりない状況の

中での絵の多くは美しい色彩と子供らしい詩情にあふれていた。この子たちに絵を通して生きる喜びを

与えた女性画家のフリードル・ディッカーさんの存在を深く心に留めた。素晴らしい仕事をされた方。

             フォト  2019             撮影場所   神戸市 北区

 

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姫路城の様々な顔

2020-02-13 09:51:47 | 日々のくらし

先日ある会への参加で姫路へ行った。お城の近くの三木美術館での作品鑑賞、その後もお城がごく間近に見える席での会食。長時

間お城を仰ぎ見ながら食事をいただく心地よさ。参加できてとても有意義だった。その後、少し歩いて兵庫県立歴史博物館へ行っ

た。カフェの大きな窓越しにまた、姫路城。ここから見上げるお城は、姫路駅側から望める美しい白鷺城の姿とは全く違う。夕方

近くになって濃い灰色の雲が城郭の背後を覆って、まさに風雲城とでも形容したい趣き。全くきれいごとではない城の姿に触れる

ことができご一緒させてもらってよかった。同行の作家さんは、城は血生臭いから....と言われる。その通りだと思った。表の顔、

裏の顔があってひとつの存在物になる。今はまだすっかり健康というわけでもない自分自身を重ね合わせながら城を見つめた。

暗い雲の向こうに微かな青がある。小さな青空だ。雲にかき消されそうになってはいるが紛れもなくそこには透明な青がある。

                   フォト    2020               撮影場所  姫路市

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メタセコイアが切られていた

2020-02-08 09:02:31 | 日々のくらし

六甲道駅のカフェの椅子に座って窓の外を見る。街路樹のメタセコイアの大木が切られていた。さやさやと葉ず

れが心地の良い空間を作っていた。ガラスを通して揺れ動く淡い緑は教室出勤前のほっとする時間をくれていた。

一週間前には確かに冬木立の厳しい姿を見せていた。どうして切られたのだろう。誰かに聞きたかったが誰も知ら

ないだろう、と自分に言い聞かせた。知らない間に木は切られ、何人かが惜しみ、そしてその出来事にいつしか慣

れていく。読みかけの白洲正子の生き方を書いた文庫本を読む。1ページほど進む。もう時間だ。ガテマラの濃い

コーヒーとトリュフチョコを口に入れて自由時間を終わりにした。トリュフチョコの金色と紫と濃いピンク色の包

み紙にけっこう元気をもらう。腕は痛いけれど心に風入れて、席を立つ。

              フォト  2020           撮影場所  神戸市 灘区

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