Kazuko MISAWA World

三沢かずこの青の世界 ー 作品の周辺

雪の大晦日

2020-12-31 09:11:10 | 日々の思い

今朝起きたら外は雪景色だった。寒いわけだ。朝食の時に、家族で故郷の信州の思い出話

に花が咲いた。雪の大晦日の夜、積もった雪の中に初音売りが現れる。初音という小さな竹

でできた笛を売りにくるのだ。「初音~、初音」という呼び声にすごくワクワクと気持ちが

高なった。私にとって信州の大晦日の詩的な思い出。これは関西の方には通じない。まず雪

がないし、初音ってなに?という質問がくる。私の方も現実にあったのかしら、と少々不安

になる。今朝、母親に確かめたら、初音売り、来たよと言ってくれた。ま、これは私の幻想

ではないと思う。

昨日30日、珍しくアトリエの仕事納めをした。例年は年末年始もなく制作するのだが、先

日夜中に救急治療を受けたことがあり、世の流れとともに、自粛にした。今年最終の制作時

フジコ・ヘミングさんのピアノ曲のCDを流した。作品が仕上げに近づいた時、感覚的に落

ち着いてこの音とともに作品に向かえる。コロナで半年ほども延期になったフジコさんのコ

ンサートに、今年、大阪まで行けてよかった。コロナを心配しながらだったけど、一期一会

の歓びの日だった。   

              フォト作品 2020       撮影場所  福山市

 

 

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桜が満開

2020-04-04 11:41:01 | 日々の思い

満開の桜、夕刻アトリエから脇の桜並木に出ると、ピンクの煙がぼうっと木々の上部をおおっている。少し暗くなりかけた周辺が幻想的な光景

に変わっている。桜は昼間太陽の光の下で見る時と夕暮れや夜に見る時とではずいぶん感じが違う。桜は、コロナウイルス蔓延の騒ぎの昨今に

もかかわらず汚れのない淡いピンクの花びらを空に広げている。講師として行っているカルチャー教室は、またも休講になった。今月からなん

とか再開できるかとギリギリまで迷ったのだが、高齢の方々の参加はやはり難しいものとなった。肩の荷が下りた思いがする。私自身も高齢者

なのでほっとしているというのが正直な気持ちだ。

暖かくなった気候の中、ウグイスがさかんに鳴き声の練習をしている。日毎に上達している。ずっと、「ホーホケキキョ」と鳴いていた。

「キ」がよけいだ。今日は、ホーホケというのもいる。ほかにホーキョという省略型の鳴き声もある。完成型の「ホーホケキョ」はまだ先かし

ら。コロナウイルス蔓延が下火になりますように。ウグイスの声に生きる喜びを託せますように。

                   フォト  2020                    撮影場所      神戸市北区

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動物は植物に救われている

2020-03-14 14:28:15 | 日々の思い

雨の一日。傘をさしてアトリエへ。石段を降りる際にジャンプ傘をパシャっと天に向けて開いたら、一瞬体が浮いた気がした。わあ、ファン

タッシック!  だけど体がよろけたのかもしれない、と現実に戻る。ニュースの時間ごとにコロナウイルス感染の状況などを暗い気分のなかで見

る。怖がってはいけないのだけど先が見えない。 アトリエへの小道には紫や黄色の花々が咲き始め、白モクレンの花弁がふっくらとカーブを描

き、すみれや水仙が優しい白を陽に反射させている。こうした植物の変わらない生き様にどんなにか励まされる。春の太陽のもとでは動物も植

物も同じ大きなエネルギーを受け日々を生きているはずなのに、右往左往してしまう動物に比べて何と植物は強いのかと感じる。アトリエに向

かう5、6分の道のり。一目散にアトリエに通っていた頃を思い出しながら、今は、大きな木の下に寄ったり、苔の緑の多彩さにスマホを向け

て撮影したりしている。ここまで文章を書いて、電話を受け取る。教室の休講の知らせだ。いつ再開になるか、未定だ。教室に来てくださって

いる生徒さんたちも高齢の方が多い。全ての方々の平穏を、無事を祈りたい。 桜ももう少ししたら晴れやかに咲いてくれる。

                                                     フォト  2020                  撮影場所   神戸市北区

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青空にウイルスは似合わない

2020-03-07 17:19:04 | 日々の思い

コロナウイルスに世界中の人たちが苦しめられている。一刻も早く終息してほしい。高齢者はリスクを恐れずに外に出よう、とテレビで語って

いた医療関係者がいた。そこそこ年配の人だったのでなんか説得力がある。外での食事もしにくく外出先も自粛、自粛でほとんど減っている。

99歳の母親をこんな時期かかりつけ医に連れて行くことはためらわれる。私がひとりで薬をもらいに病院に行った。シニアスタイルでリュッ

クを背負って。このリュックを背負うのがきつい。左腕をリュックに通すのに時間がかかる。腕がイタタタ。けっこう気負って薬局で一ヶ月分

の薬をもらい帰路についた。家の近くの雑木林の小道にさしかかる。石段の上にとてもとても力強く、鮮明な青があった。雲もくっきりと自立

して浮かんでいる。久しぶりに見上げる青空だ。暖かくなったのだ。足元には小花も咲き、桜の蕾も存在がはっきりしてきた。自然は進んでい

る。空を見上げていると気持ちが大きくほぐれた。あの空にウイルスは似合わないよなあ、と思った。

                 フォト  2020                撮影場所   神戸市  北区

 

 

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自由ということ

2020-03-01 08:32:30 | 日々の思い

世界的なコロナウイルスによる肺炎の蔓延、ニュースを見るたびに不安感をぬぐいきれない。この週末

外出を控えるなどの予防策を勧められている。出るなと言われれば出たくなるのが人間の心情。大人が

そうだから春休みまでの長い期間にわたって休校になった子供たちの辛さは計り知れないものがある。

自由に外に出られる時はなぜか、家の中でゆっくりしていたくもなる。自由という許容範囲の広い大き

な存在に感謝するしかない。65歳以上が重症化すると報道されている。その年齢を完全に超えている私

今までできなかった片付けに着手した。家にこもって夢中でやれた。衣類の整理、どんどん捨てたくな

り引き出しにも空間ができた。去年の春の個展の折にいただいたお手紙や書類の整理。ノートに仕分け

してクリップでとめて、ありがとうと言う。すごく達成感。これは今までやれなかったこと。余りに頑

張ってしまった仕事、その頑張りから一年間目を背けていたということか。これで次に進める、今は精

神的にとても元気だ。精神の次は体だ。痛みも徐々に癒やされていくだろう。

              フォト  2019         撮影場所  神戸市 北区

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