津高和一さんの作品がアトリエにやってきた。長い間、美術館やギャラリーで見るだけだった津高先生の作品。アトリエに着いた時、帰りにも
挨拶をする。とても嬉しいことだ。津高先生には生前中、直接お目にかかることはなかったけれど、先生の著作でどれだけ抽象絵画について教えを
受けたことか....。いまでも時折、著作を読み返す。ボールペンや、黄色のマーカーペンの線がところどころ引かれている。今は、また新しい箇所に
マーカーを引きたい自分がいる。当時の自分は、こんなところに心引かれていたのかと文章を何度か読み返す。
写真の作品は「名塩和紙」のはがきに描かれた作品だ。小さな作品だが、絵に説明はいらないよ、と言ってくださっているような優しさに満ちている。
先生の文章にある、新しいこととは、特殊なことではなく、揺るがない、動じないものを内に秘めているもの、という教えを今、また心に刻み込んで
今日の制作を終わりにした。