Kazuko MISAWA World

三沢かずこの青の世界 ー 作品の周辺

厳しい寒さ

2016-01-25 18:33:23 | アトリエから

厳しい寒さが続いている。ここ神戸は雪はまだ降っていないが、超一級の寒さがきている。窓際に置いてあるガラスの花瓶の水がカチカ

チに凍っている。お風呂場のタワシも凍りついていた。なんて寒いのだろう。暖冬だ、暖冬だと油断していたら一気に寒さがピークにな

った。ガチガチのタワシでお風呂の掃除を何とかすませ、アトリエへ。暖房をしても、しても、いっこうに温かくない。こんな時は何か

口に入れたくなる。ありったけのクッキーを食べ、レーズンを食べ、コーヒーを飲み、紅茶を飲んだが、気分が制作に向かわない。ゴミ

を拾ったり、読みかけの本を開いたりして、制作モードに自分を変えようと努力した。やりかけの作品を持ってきて、壁に立てかけ、の

ろのろと色を塗り始めた。こんな状態の時は、仕上げたい絵をさわらないこと。経験から分かっている。

今日は、もう早く帰ろう。4時には片付けようと決めて、小品に色を入れ始めた。4時近くなって、突然、筆が進み始めた。制作の気分が

やってきて、4時にはやめられない状態になった。辛抱強いのか、あきらめの悪い性格なのか、夕暮れに、ごほうびをもらった思い。

熱中していて、窓の外をふと見ると、遠方のマンションの窓ガラスに、日没のきらめきが反射している。オレンジの温かい光だ。よく見

ようと立ち上がった瞬間に光は消えた。ほんとうに一瞬の輝きだった。

 

 

 

                フォト   2016

 

 

 

                                                   

 

 

 

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対人満喫症

2016-01-22 09:29:10 | 日々の思い

昨日、母親が出品している展覧会を見に行った。毎年行われているもので、『はる展』といって、はるから連想される春や、貼る、張る

など自由にアレンジして展示できる新春の企画展である。母は、今年も、色鉛筆での抽象画。一人で、黙々と描いていて、ちょっと見て

などと言ってこないのがとても楽。画廊に搬入するのも、見に行くのも私だけど、これは娘の務めのうちか。

画廊でお茶を飲んでいて心の病の話になった。身近にもこの症状で辛い思いをしている人が多い。昔のことを思い出してしまって、何だ

かべらべら喋った感がある。もう随分昔(?)のことになるが、私も心の病にかかったことがある。対人恐怖症、だった。無我夢中で個

展発表をし始め、心身をすり減らすように個展を重ねた。一つ終わると外に出られない状態になり、人にも会えずに苦しい時が続いた。

あの状態からどうして抜けられたの、と聞かれるのだが、これといって答えが見つからない。とにかく時間の経過が解決の薬だったよう

な気がする。周囲の励ましはかえって、負担になる。あれ、外に出られる !という瞬間が不意にやってきて、それが、たびたび続いて薄

皮を剥ぐように元気になっていったと思う。 あきらめないで、ほんとうにあきらめないで、必ず治るから。

私は、現在、対人恐怖症から、対人満喫症に変わりました。(これは、私の造語ですが)21年間も続けている教室にも鍛えられたかな。

 

        はる展   プラネットEarth内   Pocket美術函モトコー (モトコータウン2)  050-3716-3540

            2016/1/19 (火)−31 (日)  25日(月)休    12時−19時  最終日 16時まで

 

 

 

                    フォト   2016

 

 

 

                                                      

 

 

       

 

 

 

 

 

                                               

 

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牡蠣のスープ

2016-01-18 17:32:27 | 日々の思い

暖冬だと思い込んでいたら、急に寒波が押し寄せた。東日本や東北や北海道は雪である。近畿地方には今のところ、降っていないが、こ

の冷たい雨がもしかしたら雪に変わるかもしれない。ガタガタと窓ガラスを鳴らす風である。こんな日は、温かいスープが一番。昨日も

一昨日もスープ、家族みんなが喜んでくれる。みそ味にしたり、醤油味にしたり、黒酢の味わいにしたりして、文字通り、手を変え、品

を変えて食卓に出している。少し大変なのが、肉類を極力使わないという今現在の決めごと。毎年、賀状に、絵を描くための霊感を失わ

ないために、肉類を避けてくださいと書いてくださる方がいる。賀状の隅に添え書きという程度ではなく、一面に、親切に、事細かく

肉食を避けて....と書いてある。ありがたいことですね。ずっとは守れないにしても、せめて一月ぐらいは、実行しようと家族を説得した

肉は体にいいのに、と不満そうな母親の声。そのかわり、魚介類は食べようね、と言ったら、安心したのか、承知してくれた。

献立もけっこう大変だ。レパートリーがほんとうに狭まる。今年の牡蠣は大粒で、手軽に買えるので、ここのところ、スープの主役は牡

蠣、牡蠣、牡蠣....。栄養が豊富で体にいいらしいね、と母もけっこう喜んでいる。寒ブリも美味しいらしいよ、と一言追加...。

霊感と絵と食物の関係、よくわからないけれど、抽象画の発想は、直感、ないし、霊感ということになるのでしょうか。

 

 

 

                    フォト   2010

 

 

                                                             

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『青い』

2016-01-13 17:18:24 | アトリエから

今年も青の絵を描くだろう。 昨今は、いつまで青を描くのですか?という質問もほとんどなく、え、どうして、と思うくらいに私と青

とが結びついたかのよう...。20年近く青を描いてきた。その分、見続けてくれる人たちも、私も、しっかり年を重ねたということなの

かしら。前は、いつまで....の質問があるたびに、ずしっと考えてしまって、赤を描いたり、緑を塗ったり..した。でもそれ、自らがし

たいのでなく、周りに気を遣っていた。青しか描けない作家になりたくない、という見栄も多分にあったかも。

もう開き直れる年齢ですよね。私は、自ら描きたい絵を描こうと思っている。自分の人生から導き出される絵を描いていこうと思ってい

る。今は青、先は分からない。

今年いただいたとても大切な年賀状。文面に青色で、『青い』という文字がたくさん、たくさん並んでいる。何と、家族は二人とも、そ

の『青い』の数を数えたという。すごい積極的な我が家族。43あったよ、と母が嬉しそうに言う。私は、数えられなかった。見ただけで

このありがたいエールに胸が一杯になってしまった。ここ数年、いろいろなご縁に恵まれ、とても助けられている。青が紡いでくれるご

縁なのだろう。私の『青い』は今年、どこへ向かうのだろうか。

 

 

 

                   フォト  2016

 

 

                                                          

 

 

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三日月

2016-01-12 19:16:37 | アトリエから

急に冬の寒さになった。西の空に、三日月が輝いている。薄い青をまだ残した空に、淡い黄色の細い月がさえざ

えと絵になっている。寒いのは苦手だけれど、温暖化の影響で冬の季節らしくない日々が続いているのも、やは

り落ち着かない。この寒空に月の光景、厳しさをみなぎらせていて好きなものだ。

年が明けて、東京、日本橋の画廊での個展も現実味を帯びてきた。作品は、少し変わったと思う。1997年の初

めて抽象画を描き始めた時に、戻ったのかもしれない。もちろん、全部が戻るなんてことはあり得ないことだが

そこが原点だとしたら、よく言われるように、基本に還るということだろうか。今まで個展は、全体を自分のカ

ラーでまとめあげていた。それがよかったのか、よくなかったかは別として、今は、少し開き直れたというか、

とにかく、ありのままに、やってみようと思っている。結果がどうであれ、そのようなことは、今後いくらでも

挽回できる気がする。何よりも大切なものは、変わり続けようとする意識、だ。

6月の個展、相変わらず、青の追求が続くだろうが、私自身のなかでの、新たな、青でありたい。

 

 

        WORKS    2016   9.5×14cm    手透きハガキ    油彩

 

    

                  

 

          

                

 

 

 

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