昨日、夏日のなか、桜井市にある喜多美術館へ行ってきた。知人の陶芸家がここで個展をやっている。神戸の我が家からは片道
約、3時間の道のりだ。だがこの美術館のあるロケーションは、良い気が充満していると常々思っているので、昨日も元気をも
らって館を出る。コレクションの常設展示の見応えが素晴らしい。私が、書から水墨画へと踏み出せた導きとなった京都出身の
洋画家、須田国太郎の作品『鷺』この一枚に会えることはこの上ない喜びだ。この深さ、静謐感、動きと静止とが見事に拮抗し
ている緊張感。決して厚塗りでない透明感。山の辺の道を歩きながら油彩をまだ続けられるという小さな安堵感が心に広がっ
た。 ＊ 杉本たけ子展 -そこに存在すること- 6月4日（日）最終日 15時まで ＊
フォト 2017
教室に在籍している生徒たちが個展発表を忙しくやっている。昨日、教室で生徒が「先生、これだけ生徒が個展を頻繁にやると
把握できませんよね」と言った。本当にそう、全く把握できない。講師の私にも頻繁に個展の話がくるが、体力を考えてほとん
どお断りしている。生徒たちは、楽しく作品を創る時間をまだたくさんもっているのだろう。生徒一人一人の個展発表を見に
行ってアドバイスの一つでもと思うのだが、それをこなそうと思うと前後にかなりの無理がかかる。やれることはここまでと決
めた。家庭の役割、制作活動、教室運営....諸々。それよりもストレスをためないということが私に課せられた最優先事項か。
フォト 2013
アトリエからの帰り道、草の香りが強い。見ると、道の脇の斜面の草がきれいに刈られている。今盛りのマーガレットの群生は
白いかたまりのまま残されている。良かった。この花の白さは、白過ぎることなく、疲れた目に優しい。横の枇杷のまだそれほ
ど丈が高くない木に小さな実が幾つもなっている。これは我が家の裏庭に隣家から落ちた種による実生の木。あまりに元気なの
で、広い空間に（つまり、里山に）移したもの。すくすくと成長しているので、毎日通るたびに嬉しくなる。今日は、2時間ばか
りの制作だった。夕方になるまで全く気分が乗らない。遊ぶように、と決めているのに....なんだか落ち込んだ。
フォト 2013
家族が二人とも転んだが、幸い骨折しないで良かった。心配をいろいろな方々にかけてしまった。お気遣いに感謝しています。
私は転ばずに元気でいる。ただ少し、緩やかに毎日を送ろうと決めている。遊ぶように、アトリエに行っている。きっちり、お
弁当を持ってアトリエに行くことはやめて。その日によって、アトリエに行く時間はまちまち。それでも短時間集中にはなって
いるのか、少しづつだが、確実に完成に向けて絵は進みつつある。思いの外、心に余裕を感じたりして、これはこれでいいのだ
ろう。アトリエへの小道で、山桜のサクランボを拾う。『マッチ売りの少女』に出てくるマッチのような小さな形が愛らしい。
『映る』 p30 油彩 2009
ここのところ家族にケガや、体の変調が相次いでおこっている。夫も母も転び、おおごとではないものの（そう願っている）経
過が心配な日々である。少し、仕事が一段落して、旅にでもと考えた矢先だったが、現実は、そのように動いてくれない。ずっ
とずっと神戸の空気を吸うばかりだ。明日は、夫の検査日なので、今日、気分転換に出かけようと支度をしたのだが、冬物の洗
濯を始め、リビングに掃除機をかけ、読まないで積んである新聞をチラ見で片付け....時間ばかりがどんどん過ぎる。これでは予
定していた目的の半分もこなせないな。 だらだらと、短文書きに心を移行。これ、結構気分が落ち着く。充実感も多少あるし。
フォト 2017
