Kazuko MISAWA World

三沢かずこの青の世界 ー 作品の周辺

高知の和紙と越前の和紙

2015-07-29 19:47:27 | 作品

越前の白麻紙を一昨日から使い始めた。海景といわれる細長い100号サイズにカットして使う。薄くて、きりっとした感触の和紙である。以前

は、この薄さに感覚が合わなくて、見本を取り寄せたものの購入はしなかった。薄さが頼りなくも感じた。結局、高知の麻紙のごつごつした厚

み感、素朴さに引かれて高知麻紙を30年近く使い続けてきた。基本的には、和紙をパネルに水張りして使用する。何回も絵具を重ねるので

肉厚感のある麻紙を好んで使ってきたのだと思う。今年の春のパリの個展の作品制作時に、紙のまま個展会場に吊るす必要性が出てきて、ごつ

ごつした和紙でなく、柔らかみのあるものを探した。京都で、運よく、この越前麻紙に出会い、使い始めた。

和紙に油絵なので、下地、絵具ののせ方、筆の運びまで工夫が必要で、一枚目ができたときは、これから先に、希望がもてたような気がした。

今回は、二作目である。二作目の油断(?)から、下地液が乾かないうちに、紙のシワを伸ばそうとして500円玉ぐらいの穴を開けてしまった

親指にべったりとちぎれた和紙が貼り付いた。あわてて、補修した。気分は、急降下。

まだ、2、3回、色をのせた状態だが、補修の部分は気にならず、描く前でよかったと胸を撫で下ろしている。和紙は、1000年もつといわれて

いるが、濡れた状態ほどもろいものはない。

明日もまた、越前白麻紙の作品に挑戦する。行けるところまで進めて、取りあえずの完成を目指そうと思う。また、手直しが長々と続くに違い

ないのだが。

 

  NATURE  (巡る) 91.0×72.7cm    2009   油彩  高知麻紙  

   イタリア FANGO美術館 太陽の島シチリアに於ける日本の芸術展出品  2013

 

             

 

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イタリアのなす、ロッソビアンコ

2015-07-28 18:39:37 | アトリエから

イタリアのなす、ロッソビアンコに、産地直送の野菜販売所で出会った。といっても、イタリアから輸入したものでなく神戸近郊で穫れたもの。

大きさは米なすくらい。丸っこくてかわいい。色の美しさに引かれて手に取った。日本のなすの『茄子紺』とは違う明るく赤みを含んだ紫。紫と

黄色みを帯びた白が、コラボのように洒落た皮。ヘタは先端が外へ反り返り、まるで外国の王様の髪型。ヘタの明るいグリーンもかなり、素敵な

ヨーロッパの色。

一個買って帰った。デジカメで艶々とした表皮に映る、光や、紫の濃淡の美しさを撮ろうと思い、テーブルに置いていたら、いつのまにか流しの

脇に移っている。待って!といいながらあわてて袋にしまった。これは、洗ってもらったらマズい。

次の日、アトリエで色鉛筆とクレヨンでスケッチを何枚もした。見れば見るほど、美しいなすだ。自然にできた小さな黄色の形が、紫のバックの

小花の造形のようだ。結局、二日にわたってアトリエでスケッチ。家族は、天ぷらにしてほしいとか、一体いつ食べられるの?とか、いろいろ、

騒がしく言っている。無視をして、スケッチ、を、した。

もう皮はところどころしなびてきていたが、今日の夕食に、なすステーキにして食卓に出した。やはり、イタリア。クリーミーな味わいといわれ

るとおりのこくと深み、主役になりそうな存在だ。

写真に撮ったり、何回もスケッチしたり、ロッソビアンコも疲れたかもしれない。でも、いただけて、美味しくて、鮮度も持ちこたえてくれて、

ほんとうにありがとう。

 

            フォト  2015

 

                  

 

 

 

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夏の夕暮れ

2015-07-26 21:11:09 | アトリエから

茜色をかすかに残した雲が流れていく。

半月を過ぎた月が枝の中に浮かぶ。セミの声が重層的に響く。カナカナの涼やかな鳴き声が遠くから聞こえる。よどんだ暑さはまだ先なのか。

今年の夏は、暑いようでいて、過ごしやすいような気分もする。アトリエからの帰り、石段を何回か休み休み上がる。脇のベンチに座る猫と目が

あった。真っ直ぐこちらを見ていて、逃げもしない。私もすっと通り過ぎる。最後の石段を気合いを入れて一気に上がった。

野菜、洗ってあるだろうな。このごろは、母の野菜洗いも少し量が減って、シニアの家族にはちょうどよくなっている。調理も楽だし。

我が家の小さな庭にサルスベリのさわやかなピンクが満開だ。

夏の夕暮れ、何だか、思索的になる。風に、草の香りが乗っかってくる。もう少しこのまま、風に吹かれたい。

 

   NATURE (翠) 116.7×91.0cm    2010    油彩

 

          

 

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ミニアチュール神戸展オープン

2015-07-25 16:26:46 | 作品

     

ミニアチュール 神戸展 出品 作品

 

     2015                       2013                                                         2012

 NATURE   2015-1    F3                         WORKS    2013-2   20.0×20.0cm                     WORKS  (空) 24.2×27.4cm

 

                                                                                                                                              

今日からギャラリー島田でのミニアチュール神戸展が始まった。今回で15回目の展覧会である。(8/5まで)

ギャラリーの決めたテーマで、新作で出品する。平面も立体も、油彩も日本画も、具象も抽象も....さまざまです。もちろん、年齢も。

私の場合も、2013年、2012年と振り返ってみると、やはり、青の色、さまざまだ。こういう機会にいろいろ挑戦しているのでしょう。

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ミニアチュール神戸展

2015-07-21 17:48:16 | 作品

ギャラリー島田 第15回 ミニアチュール・神戸展 2015の搬入に行って来た。今年のテーマは『Why born』なぜ生まれてきたのか....重い

テーマだ。こうして毎年のテーマが決まっていると、個展ではできにくい挑戦ができる。昨年のテーマは、『Change』だった。いつも青の

絵を描く私が赤の絵を出品した。何人かの人から、青をやめたのですか?と聞かれた。いえ、テーマがchangeですから、と軽く答えた。赤の

絵の下には、青の色の絵がある。最終的に仕上げる色調によって『赤』の絵になる。赤も青からつくっている。変化というテーマでこんな出品

ができてよかったと思っている。

なぜ自分は生まれてきたのか....深い世界。ただ、こうしてご縁をいただき、作品を制作して発表できるということに、大きなしあわせとやすら

ぎを感じていることは確かだ。描き続けて、見えてくるものを大切にしたいと思う。

今年のミニアチュール展に、以前、自分のテーマだった『NATURE』が復活した。常に、私は、無限である自然に魅かれ続けているのかもしれ

ない。赤でない青の絵を出品します!   ☆ミニアチュール神戸展 2015  7/25-8/5   神戸 ギャラリー島田  約152名の作家が出品

 

    15.8×22.7cm   WORKS (陽) 2014    油彩

 

         

 

 

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