Kazuko MISAWA World

三沢かずこの青の世界 ー 作品の周辺

99歳の母親と肉まんを作る

2019-08-31 15:05:56 | 日々の思い

4月の上旬から体調を崩してしまった。不意の突発性難聴、メニエール病の強いめまい、まっすぐに歩けない、駐車の折に車を壁にぶつけるなどな

ど。そして何より辛かったのは制作ができなかったこと。今まで制作することによって色々な症状から立ち直ってきた経験があるので、無理をしてで

もアトリエに行っていたのだが、筆を持ち始めると耳の雑音、頭痛を伴う拡声器のようにキーンという音が響いて制作がまるでだめだった。身体中で

制作することを拒んでいるような。こんなことは初めてのこと。とうとう画業を休業することになった。もう丸4ヶ月が過ぎた。日々やれることは家

事、特に家の中の片ずけ。1時間程度なら副交感神経が優位になりリラックスできるとか。それ以上頑張ったらストレスになる、らしい。リビングの

調理台の戸棚から引き出しに至るまで整理する。簡単な模様替えもした。そして次は....と考えて練った粉を瓶で伸ばして肉まんを作ろうと思った。

99歳の母親と肉まんを作った。母はせっせと湯気の立ち昇る鍋の中に肉まんを並べてくれる。久しぶりに安らぎの感情に包まれた。これは、しあわせ

の詰まった最高の場面だな。節くれだった母親の指をぼうっと見つめた。こころが和らいでくる。

                        フォト  2019          撮影場所  神戸市北区

 

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絵も作者も成長

2019-05-15 08:43:58 | アトリエから

アトリエへの途中、小径の草叢の緑が美しい。新緑の時期は木々の若緑に心ひかれるが、道を歩く人の脇にある緑の美しさも格別だ。帰りを急いで

早足で通る時、肩にイネ科の植物の穂がさわっと触れる感じが植物とのつかの間の一体感のようで嬉しい。葉や茎の明るく柔らかな緑、絵の具でこ

の様々な緑色を表すのはおそらく無理だなと思う。私の絵は青が基調なので、青の中に使う緑ということになるが、それはまた別の表現になる。

先日、私の絵を飾ってくださっている方からお手紙をいただいた。生活の場所の通り道にその絵をかけてくださり、通るたびに日に20回以上も眺め

ていただいているとのこと。白い壁があるので、額に入れないでこのままで飾ります、としかお聞きしていなかったので、絵がその方のところにピ

タッとあっていることを知りほっとした。常に眺められて、絵は成長していくに違いない。作者も然りか。

個展終了後の体調はなかなか戻らない。体力消耗は個展の充実度と正比例するものだ。個展が終わって、次の制作への勘が取り戻せないで困ってい

る。裏庭の泰山木の落ち葉拾いをグズグズやりながら、たくさん拾えて嬉しいと思いながらやるべきなんだろうな、とつぶやいた。

                 フォト   2019              撮影場所   神戸市  北区

  

 

 

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青は脇役になるかしら

2019-05-07 09:07:59 | アトリエから

10連休が終わってようやく日常の雑事に取りかかれる。上天気で外の仕事がしやすい。郵便局やら、家族の衣類の買い物やらもすませないといけな

い。それよりも外せないのは、母親の病院行きか。それらが片付いてから時間を拾うようにしてアトリエ行き。個展終了後、絵は全く描けていな

い。疲れのせいにしているけれど、それだけではない。新作にかかっているけれど、ブルーとの関わりのことで、少し、こころに新たな風が吹き始

めていて、画面が全く見えていない。堂々巡りなのだ。ブルーを脇役にもっていったらと言われた方がいた。主役から脇役へ...か。俳優の一代記で

はないのだが。まだ、主役の仕事が全く終わってない、という気が本人はしている。ブルーが完成した、という評で、少し、こころが波打ってい

る。無限の青を追いかけることが、まだ必要か。渋さのある自分らしい赤の画面にパアッと変わりたいという、思いは未だある。

                    フォト  2019         撮影場所  神戸市北区

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冷たくない青

2019-05-02 07:42:19 | アトリエから

連休の前半が過ぎた。旅に出られないものにとっては、長い長い前半ではあった。今日は朝から爽やかに晴れている。久しぶりだ。家の前の公園の

藤の花が盛りの花を見せている。散った花びらを拾って香りを嗅いだが余り香らない。つい植物にもきつい気候の変動なのかなと考えてしまう。

神戸の個展が終わって20日余り、ようやく個展の後の雑事が落ち着きつつある。充実した個展であればあるほどその後、すべきことが山積みで...。

藤の花を見上げながら、ふと思い出した。個展の折、何人もの人に『あたたかいブルーですね』と言われた。どうしてなんですか、とも聞かれ答え

に困ってしまった。ブルーは寒色なのに、と呟かれる。どうしてかわからない、あきらめないで自分がよしとするブルーをひたすら探し続けている

だけだ。ブルーの下に赤系の色やグリーン系の色を入れています、と答えたが納得してもらえたかどうか。

制作はいま、ストップしている。このブルーいったいどこへ行くのだろう。 

                        フォト  2019        撮影場所   神戸市 兵庫区          

 

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青に赤の絵

2019-04-27 21:13:35 | アトリエから

この間のギャラリー島田の個展に初めて8センチ四方の作品を展示した。毎年ミニアチュール展という企画展があり、そこに参加しているのだが、こ

んな小さな作品は出したことがない。手が届くような小さな作品を、と言われることがあり、この度は思い切って出品した。個展半ばになってもこ

のミニ作品を欲しい人が現れない。100号を話題にしてくださる方が多い、多い。複雑な心境だった。壁から外したい。余計なことをしたのかも、

と気分は落ち込む。終盤に入って、ミニ額の作品を目に止めてくださった若い方がおられてなんとも嬉しかった。私の選択、よかったのだと思え

た。その後も何人もミニ額の作品の購入者が現れ、何枚か追加でギャラリーに運んだ。買えない方がおられた。青に赤の色のある作品を欲しい、老

人家族で家の中が寂しいので...と言われた。ごめんなさい。もう売れてしまって、とお詫びした。青に赤の絵か、とても印象に残る言葉だった。

                  フォト  2019              撮影場所   神戸市  北区

 

 

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