明日は待ちわびた冬至。アトリエを5時に出たが、まだ青みがかった空が少し残っている。雲も白く見え、淡い茜色も西の空に残
る。三日月は、洒落た細いカーブを冬の空に張る。冬至を待っている。自然光での制作は、お日様次第だ。明日から米粒一つづ
つの長さでも日が長くなるのは本当に嬉しいことだ。何か今日の夕方の空が明るい気がしたのは、冬至がもうそこという安堵感
からだろうか。家では、母親も気合が入っていて、かぼちゃ、かぼちゃと口にしている。かぼちゃは、常日頃食べているに....。
冬至かぼちゃはやはり、暮らしの大切な味わいか。ゆず湯のゆずもかなり大きな実を買ってきた。老母も私も気合い十分。
きょうの制作時間は、一単位半。一時間半ばかりの制作時間だ。日が沈む前のかなり凝縮した集中....まあこれでいいか、きょうも外での雑用が多
かったから。アトリエから出て、暗くなりかけた道を急ぐ。太りぎみのネコが何匹もごそっと現れる。餌をあげるおばさんと勘違いしている。
月が裸木の間で輝いている。十五夜にはまだ数日あるだろうか。輝きは強い。あと少しだ。冬至が過ぎると、日はまた少しづつ長くなっていく。
自然光でしか絵を描かない(描けない)ので、日の長くなるのを待ちわびている。今は小品を仕上げているが、難しい。自分の量より小さい画面
を、どうしても絵に、してしまう。ずっと前、人に言われた。絵にしないこと、が大切.....と。 月を見上げてから一気に家に向かった。