Kazuko MISAWA World

三沢かずこの青の世界 ー 作品の周辺

沖縄の旅

2015-10-27 19:24:49 | 旅路

沖縄になぜあんなに惹きつけられたのだろうか。

沖縄に初めて行ったのは、旅の月刊誌の特派記者として、30代の代表として全国公募で選ばれてのことだった。沖縄の壺屋焼きの思い出を文章にして応募した。ほんとうにラッキー

な結果だった。その旅は、ウインドサーフィンの初挑戦を義務(?)づけられたり、後日、旅行記を書いたりで、けっこう仕事がらみの旅だったが、さあっと通り過ぎた那覇の街に、ア

メリカ的な色彩を多く目にし、市場に並ぶ品物の珍しさに驚かされた。ある地域で、ハブとマングースの闘いのショーがあり、特派記者としての見聞記が必要であったようだが、こ

れは、全く無理で、後ろに隠れて見れなかった。

沖縄に流れていた緩やかさ、那覇に着いた時、バックが行方不明になった時も、そんなに慌てないでいいよ。すぐ出てくるさー......と、涼しい顔の迎えの人。大分遅れたけれど、バ

ックは出てきた。そんなに、神経質にならなくても、とやんわりとたしなめられたかのよう。急いでいる生活に、慣れっこの自分。いつの間にか、ゆっくりと、お茶を飲んだり、気

長に何かを待つということが苦手になっていた。

もう、30年も前の沖縄しか知らない。そのころに比べ、沖縄全体は大きく変わっただろう。降り注ぐ太陽光、暑さの中で、その自然を受け入れて、おおらかな優しさを見せてくれた

出会った人たち。沖縄の写真を、撮ろう、と帰りの飛行機で決意した。写真館を営む写真家のもとで、撮影の仕事を手伝いながら、空き時間に写真雑誌を夢中で読んでノートにメモ

って写真の勉強をしていた。私の写真修行時代はとても短いものだったが、今思うと、一歩、自分の殻を破り外に出た、かけがえのない経験だった。沖縄を写すという私の決意は、

かなわなかったけれど、今でも、沖縄の茜色に染まった夕陽の温かさとそてつの長い影の光景が思いおこされる。たった一人、夕陽のなかで気負っていた...。

 

 

 

                                                      フォト  2015

 

 

                                                        

 

 

 

 

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