朝ドラ「ブギウギ」は、笠置シズ子さんの生涯を描いていますが、
同じ時に淡谷のり子さんは、「ブルースの女王」でした。
ライバルでもあり、友のような不思議な二人の関係。
実話として、淡谷のり子さんは、
戦争中、鹿児島の特攻隊の基地を慰問していました。
若者たちが、「別れのブルース」を聴きたいと言い、
心を込めたその歌声に
「これでもう、思い残すことはありません」
などと、言う若い兵士たち、
その姿を見て、淡谷のり子さんは
楽屋に戻って泣き崩れる。
上官も、廊下で涙を流す。
戦争中、衣装が派手、化粧が派手と
なんども警察に引っ張られ、始末書を書く。
でも、自分の歌、自分の信念を貫く。
戦後の淡谷のり子さんしか知りませんが
ちょっと怖いような強い女性という印象でした。
でもその真心は暖かく優しい。
歯に衣を着せない言葉で、
歌の審査員をしておられたこともあるらしい。
そうそう、演歌がお嫌いでした。
でもその歌は、人の心にしみる。
人を評価することは難しい。
好き嫌いはある。
でも多くの人を、淡谷のり子さんも励ました歌い手さんでした。