1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

「東欧革命1989 ソ連帝国の崩壊」(ヴィクター・セベスチェン)

2010-04-22 20:09:53 | 
 「東欧革命1989 ソ連帝国の崩壊」(ヴィクター・セベスチェン)を読みました。著者のヴィクター・セベスチェンは、ハンガリー生まれのジャーナリストです。1978年10月のポーランド生まれのローマ法王・パウロ2世の即位から、ポーランドの連帯の誕生、ソビエトのアフガニスタンへの侵攻と撤退、ゴルバチョフのペレストロイカ、チェコの憲章77、ベルリンの壁の崩壊、1989年のルーマニアにおけるチャウシェスクの処刑まで。「ソビエト帝国」と東欧社会主義国崩壊のプロセスが、とても詳しく描かれています。600ページの労作です

「民衆は日毎に力強くなっていくように感じ、ますます背筋を伸ばしていきました。われわれはあまりに服従的なところがあった。それが、とうとう誇りを持ち始めていたのです。」(チェコビロード革命の参加者へのインタビュー)

「あの夜、われわれは白線を越えて、国境を渡るとすぐ、空を見上げて深呼吸をひとつした。空気のにおいは大して違わなかった。しかし、何もかもが違うことを、われわれは知った。」(ベルリンの壁が崩壊した日の東ドイツ民衆へのインタビュー)


 本を読みながら、テレビでベルリンの壁の上で抱擁しあう東西ドイツ若者たちの姿を見、東欧民衆の力に励まされ、大阪に来たワレサに会いに行ったことを、なつかしく思い出していました。結婚して、4人目の子供ができて・・・僕自身の20代から30代の出来事と重なって、とても感慨深い一冊でした。しかし、内容的には、とくに驚く記述はなかったと思う。