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2014-10-08 00:01:07 | スポーツ文化・その他

 事例紹介コラムです。
 先日3日のFOOT×BRAINで、強豪国の育成を学ぶというテーマで、W杯優勝、準優勝国の名門クラブが日本国内に開設しているサッカースクールの練習法を特集していました。
 U-17W杯アジア予選敗退、アジア大会準々決勝敗退。日本サッカーの未来に暗雲が漂っている中、世界に勝てる人材はどうすれば育つのか。そんな中で注目すべき動きがあるという事で、海外の名門クラブが日本にサッカースクールを次々と開き、国内各地で展開していると紹介。その数、世界6ケ国、13クラブ39校。強豪国の選手育成とは? 「日本サッカー×世界の育成」というテーマで今回、注目したのは、W杯の優勝国のドイツと準優勝国のアルゼンチンです。以下抜粋して紹介。
   
【ドルトムント】 BVB EVONIK SOCCER SCHOOL
 国外初のサッカースクールを開いたのが日本で、2013年開校。現在、世田谷、千駄ヶ谷、代々木校があり、生徒数は160名(5~12歳)。そこのスクールで行われていたのは「ライフキネティック理論」というもの。
 ウォームアップで「ライフキネティック」(ドイツでポピュラーな練習法)を導入している。目的は、脳と肉体の連動性を高める事で、素早い状況判断を下すのに、非常に効果があるとか。ドルトムントの強さを支える練習法で、ドイツ代表も採用。脳の働きを活性化させることで、状況判断能力の向上に役立つとか。その練習でのルールは以下のとおり。
①受ける側はコーチの合図と同時に振り返る。
②投げる側は受け取る手を指定
③受ける側は指定された手でボールを受け取る

 ポイントは、同じメニューは行わない事で、慣れてしまうと腦に刺激を与えられないからだとか。「パスをするスピードや判断の早さが身に着いた」というスクール生の声 。
「4対4のパス回し」
 攻守の人数が同じという事は、ボールが回しづらく、その状況でパスを通すにはハードワークが要求される。日本の同年代では余りやらない高度な練習法。ドルトムントスクールのコンセプトは、トップチーム同様ハードワーク重視。全員で素早くプレスをかけて攻撃し、子ども達にもそれを求めており、その中で実施されておるのが4対4のパス回し。
BVB EVONIC SOCCER  SCHOOL公式HP:http://bvb-soccerschool.jp/soccerschool/

     
【フォルトゥナデュッセルドルフ(ドイツ2部)日本デスク 瀬田元吾氏】
 ドイツにおける育成のトレンドとして、ブンデスリーガのメジャークラブは、少しでもプレースピード、判断スピードを少しでも上げる事が重要視されて、意識して指導されている。
「状況判断を重視する指導」
 パスの受け方で、一般的にはパスを受ける前に、ルックアップをしてから次のプレーを決めるのがセオリー。ルックアップを忘れた場合の指導は以下のように日本とドイツでは大きく異なる。
日本:ボールを受ける前にルックアップすべきだった。
ドイツ:確かにそれが理想だが、見えなかった時にボールを受ける事もあるだろう。受けた時に状況判断する事。見えなかったのだから、見えるところにトラップするとか、見える人間にもう一度パスを戻すとか。現象を起こさせてから、みんなの前で指導。

 子ども達に早い段階から、トレーニングの内容よりも、声掛けとかそういうところに気を付けさせる。ライフキネティックはサッカーの練習だけでなく、老人から子どもまで広く行われているもの。そのトレーニング内容は成功しなくてもOK。大切なのは脳に刺激を与えてフル回転させる事が目的。リラックスして楽しむ事が重要。
 ライフキネティックに基づいた活動(メソッド)として、フォルトゥナデュッセルドルフのモバイル(移動式)サッカースクールを実施。全国に出張指導。こだわりは20個のドイツ語だけで子ども達に指示。ドイツ語のレッスンも兼ねて、数字・方向・動作などサッカーに必要な単語を教えてから、ボールを使った練習に入る。単語の意味を思い出しながらプレーする事で脳を刺激。
 ドイツ語の指導にこだわる理由は、海外組の選手全員が言葉でのコミュニケーションの問題を抱えているが、サッカーの技術を重視してどうしても言葉の習得に本腰が入らない。そこで言語力が足を引っ張ってしまうとかわいそうという事で、言語力の習得が難しいと思う前の子ども達に無意識にドイツ語を入れてあげると、将来海外移籍した時の垣根が下がるのではないかと考えたとか。「200単語できればサッカーはできる」と瀬田氏のコメント。

   
【ボカジュニアーズ】ボカジャパンサッカースクール La Escuela
 語学を重視するサッカースクールという事で、2011年に開校。浦和校、品川校、千駄ヶ谷校、多摩校があり、生徒数は560名(7~12歳)。アルゼンチンコーチによる指導は基本スペイン語で実施。難しい部分は日本人コーチが翻訳。将来の可能性を広げるポイントとして、現在は選手の能力によってコース分けしているとか。
「攻撃の戦術練習(接触プレーを重んじる内容)」
 パスが来る前から相手とわざとぶつかる練習を実施。味方の動きを見ながら。そこにパスが来たら、パスも出せるし、ターンもできるので、必ず相手を背負う事が大事。こちらのスクールでは、相手のプレスに対して、手を使って防ぐ技術など徹底的に叩きこまれる。勝つためには、ぶつかり合いを恐れず、腕などを使ってタメを作る事が大事。日本人はこれが苦手なので、身につけるべきで、それが1対1でも負けない体の使い方やメンタルの効果につながるとか。
「アルゼンチンサッカーの原点を取り入れた『ストリートコース』」
 これぞ南米といった新たな取り組みで、ボール代わりにペットボールを蹴ったり、裸足でサッカーを行う。狙いは、裸足だと、ボールタッチなどのセンサーが違い、地面の痛さとか、いつもは感じられないいろいろな事が体感できる効果があるようです。
 南米のスクールでは、選手・監督を経験して一線を退いたベテランコーチが多いが、取り組む姿勢の大切さを、若い時から教えられるベテラン指導者として、いい影響を与えられる。日本は違って、コーチたちのレベルアップが今後の日本の育成に不可欠。
ボカジャパンサッカースクール公式HP:http://www.laescuela.jp/

 面白かったですね。「ライフキネティック」に象徴されるドイツ式はとにかく考えてサッカーをやる事ですね。いわゆる鳥かごですが、4対4って、確かにボールが上手く回らないでしょうが、それをこなせるようになるのが、レベルアップなのでしょうか。あと、ドイツ語の習得もいいですね。確かにドイツ後をしゃべっていたら、いつかはドイツに渡りたいと思うでしょうから。
 そして、アルゼンチンは、以前の記事でも紹介した「勝ちに徹底的にこだわるサッカー」というイメージがまずあります。その流れで、体を相手にぶつけて自分の位置をキープするスタイルがあります。そういういわば野性的なスタイルの真骨頂が「ストリート」でしょうか。コーチのレベルアップも必要ですね。
 これらの特集を観ていて思ったのが、「都会は条件が整っていて、うらやましい」という事。岡山のような田舎には、こういうチャンスはありません。これからの将来を見据えて、こういう流れで日本サッカーが成長していって欲しいです。

コメント (2)
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