J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

岡山トップスポーツファミリー(ファジアーノ等)、スポーツ文化情報リスペクトブログ(共同運営)。

新しい波22

2013-05-15 01:03:37 | 新しい波

 事例紹介レポです。
 先日の記事でも紹介しましたが、12日の山陽新聞朝刊の4面に全面記事が載り、内容は岡山の3つのサッカークラブについてでした。
 そして、その下段に当ブログでも登場した岡大のT岡助教さんのインタビュー記事が載っていました。「3チームそれぞれの活動について、コメントされたのかな」と思って読み始めると・・・ほとんどがファジアーノに対して今後期待する内容でした。「住民とともに歩む文化を」というテーマで、岡大スポーツ教育センターのT岡助教に、スポーツの魅力、地域活性化に向けた可能性をインタビューしたという事で、詳しい意見でしたが、地元の公共財であるJリーグチームを想う優しさに溢れた記事でした。以下、ほぼ原文のまま紹介。
   
:スポーツは地域の魅力につながるか。
:県民が感じる魅力とは、岡山に暮らしたい、生活して幸せに思う気持ち。スポーツがそういう気持ちをどう引き寄せるか。ファジアーノ等のチームがある事で、元気をもらえたり、地域に明るい未来が描けたりする。生活、地域にクラブや選手が根付き、「うらやましい」と思われる事が地域の魅力アップ。

:クラブ、選手が地域に根付くためには。
:理想は応援の対象ではなく、もっと身近な存在として認識される事。ファジアーノはエンターテイメントとして成功し、スポーツのシンボルにはなったが、チームが強くなって地域住民とは少し距離ができてきた。選手はヒーローとして扱われ、勝つから応援するという状況が生まれている。このままでは単なるエンターテイメントに終わる懸念がある。湯郷ベルは、元々地域の活性化を目的に作られ、選手はそこに暮らす人間として息づいている。ファジアーノにももっと親近感が必要。岡山で生活し、頑張る「我が町のお兄ちゃん」を応援したいという共感を産まなければならない。ファン・サポーターは自分の生活を豊かにするためにお金を払い、明るく幸せにする事にファジアーノが不可欠な存在になる。そういう循環が必要。

:具体策は。
:クラブ自体の魅力ではなく、人と人の間に生まれる共感こそが魅力。なので選手達は地域に出て、生活をともにするというメッセージを発するべき。物理的にも心理的にも壁は取り払わなければならない。
 ファンサービスでも、練習場を柵で囲うなどして、クラブが管理・規制するのではなく、ファン・サポーター等の主導で線引きしたらいいのでは。規制しなくても温かく見守ってくれる県民をいかに育てるかもクラブの仕事ではないか。みんなで見守り、応援し、ともに歩む文化が生まれたら岡山の魅力アップにもなる。

:ファンを増やすために何が必要か。
:強いから観に行くというのは単なる流行に過ぎず、負ければ去っていく人達ではないか。勝敗に関係なく、生活の一部として応援してくれる人を増やさなければならない。クラブについて語り合う場が欲しいし、ファン・サポーターが集うお店、勝つとサービスがある居酒屋など自然発生的に生まれる場をクラブは容認すべき。
 コントロールしようとせず、勝手に盛り上がってくれればいいという姿勢が大切。後援会的組織を設けて、クラブの運営や将来を考える場を作る事も必要。

:サッカーは公共財になれるか。
:生活が幸福になっていく材料だと一人一人が思う事ができれば公共性が高いと言える。そう認識してもらう仕掛けが必要で、スポーツマネジメントの才能が試される。仕掛けの好例として、J1川崎は選手が登場する算数ドリルを製作し、子どもの生活に入り込んだ。地域の自治会や教育委員会、教師等を集めてクラブ担当者がコミュニティー活動の意図を熱心に説明して実現させている。

:岡山でスポーツ文化をどう育んでいくべきか。

:日本では今まで、スポーツは皆で作っていく文化という意識が希薄。今の岡山には文化を創っていくエネルギー源が生まれたと言える。選手や監督の生の声が聞こえる事で、共感的な支援の輪は広がるはず。勝った喜びだけでなく、チームの苦悩までもさらけ出すと更に愛着が沸くので、そういう日常的に語られる存在であって欲しい。

 上段の記事では、ファジアーノは、2012年のスタジアム観戦者調査で92.1%が肯定的な回答で、J1、J2の中で3番目だったという内容だったそうです。湯郷ベルは、選手が地元に根差して生活し、地域密着でやってきたのが成功のポイントと黒田GMのコメントが紹介されていました。吉備国大は住民と触れ合う地域貢献活動によって幅広い世代に浸透しつつあり、選手達は積極的に地域に出向き、祭りの手伝いや挨拶運動等で住民と交流を深めていると紹介されています。この辺りにもそれぞれカラーが出ていますね。
 「勝つとサービスがある居酒屋」というのは、当ブログで言うと「協賛店制度」ではないでしょうか。なかなか読みごたえのある内容でした。T岡助教さんにはまた、語る会等でまたお話をお聞きしたいところです。

コメント (4)
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