J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

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新潟・スポーツの理想郷へ9 【J特】

2011-08-05 00:23:12 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 「プロスポーツで地域を活性化する」という「碧い風」シリーズの第2回は、「プロスポーツと地域主権的なスポーツの世界」というタイトルで、J1新潟の池田弘会長が書かれた記事です。今回も「碧い風」に登場して欲しかったファジと対比しながらお届けします。以下、抜粋して紹介。
   
 スポーツは住民が心豊かに生活するための「インフラ」。チームの運営等に住民が参画し、一体感や連帯感を共有することで、地域の自立性の向上や、多様性に満ちた社会を形成できる。
①「地域に根ざし、住民と支えるプロチーム」
 '96年に、日韓W杯誘致をきっかけに、「スポーツ後進県」と言われた新潟県にアルビレックス新潟が誕生。池田会長は、設立当初からクラブ経営に関わっておられましたが、常に目指したのは「地域密着型の運営」。大スポンサーはないため、地域に根差し、住民との絆の中でチームを育てようと考えられたようです。
 その思いを強くさせたのが「Jリーグ百年構想」。「自分が住む街に、地域に根差したスポーツクラブがあり、誰もが気軽にスポーツを楽しめるような環境が整って、初めて豊かなスポーツ文化が生まれる」と謳っており、心を強く打たれたそうです。

②「おらがチーム」という地域の誇り
 地域密着型プロチームの実現のために調査した結果、モデルとしては欧州クラブ、特にFCバルセロナが相応しかったようです。バルサは、サッカー以外にもバスケやハンドボールなど、様々なプロチームを運営している市民クラブであり、親会社はなく、基本的に地域の住民が出資して支える構造です。
 住民との絆の中でチームを育てる事は可能。エンターテイメント性の他に「おらがチーム」という地域の誇りを前面に出す事で、県民にチームを支えてもらう事が重要。
 導入されたのが後援会制度。年間1口で法人が3万円、個人が1万円を募る。支援者達が、地元企業や友人、商店街等をまわり、少しずつ後援会員を確保。池田会長も県内の市町村をくまなく回り、地域が自分達のプロチームを持つ事の素晴らしさを説いて回られたとか。その結果、県内に40の後援会が発足。後援会とサポーターズクラブ(ファンクラブ?)の会員が15,000人を超えたそうです。

③「観客の応援が選手を熱くする」
 「地域でチームを支える」というビジネスモデルは、後援会員になることで「おらがチーム」への思い入れが強くなり、熱狂的な応援は選手達の成長も支えています。後援会員やファン・サポーターの声援にこたえるために練習を重ね、'03年にJリーグ昇格を達成。

④プロチームと地域の自立・多様性
 多様化が進む現代社会で、日本を活性化するためには「地域主権」が必要。様々な地域が生き生きと輝き、グローバルに活躍する事が大事。スポーツの世界でも同様で、スポーツチームは住民が心豊かに生活するための「インフラ」といえる。地域が自分たちのチームを持ち、自分達で選手を育てていくという地域主権的なスポーツの世界を構築する事が必要。
 全国で多くのプロスポーツチームが誕生しており、チームの運営等に住民が主体的に参画し、地域の一体感や連帯感を共有する事は、地域の自立性の向上や、多様性に満ちた日本社会の形成にもつながってくると締めくくっておられます。

 有名な池田会長の説得力のある話でした。順番に見ていきましょう。①では「常に目指したのは『地域密着型の運営』。大スポンサーはないため、地域に根差し、住民との絆の中でチームを育てる」という発想。「Jリーグ百年構想」をお手本にされています。百年構想といえば、「選手による社会貢献活動」ですか。たぶん新潟の選手達もファンサービスを楽しんでいる事でしょう。

 次に②では、あのバルサをモデルにされています。バルサの異競技交流は、当ブログの記事で詳しく紹介しています。新潟さんはbj、BCリーグ、五輪を目指すウィンタースポーツを手掛けておられ、つい先日は女子W杯の優勝選手を生み出しました。岡山にはそういうのはありません。
 後援会制度ですが、サポーターズクラブの会費の情報がないので、含めた存在なのかもしれません。(どなたか教えてください)こちらのページをご覧ください。全市町村(何と岡山にも!)に後援会が置かれています。すごいです。全県下からの集金システムが確立されているという事です。素晴らしいですね。
 「後援会」というものは岡山にはありません(昔、YEGさん経由で、皆さんで視察に行かれたと聞きましたが)。ただ、非公式な存在で唯一、一つだけ浅口地域にあります。(ちなみに浅口の応援募金で、当初は個人1口1万円の予定でしたが、現在は2千円)他の地区にもできて欲しいという思いと共に、何年も活動してきましたが・・・ 「池田会長が県内の市町村をくまなく回った」とありますが、待ちの姿勢ではなく、クラブの積極性も必要なのかもしれませんね。

 ③では、選手とファン・サポーターの距離の近さを感じられます。選手はファン・サポーターと交流する事で、パワーをもらい強くなるという事でしょうか。④では、「チームの運営等に住民が主体的に参画」とあります。岡山ではそこまでは言えないのかな。単純に「県民株主制度」につなげるのではなく、例えば他のクラブのように、「諮問組織の設置」という考え方もありますね。「運営に参画」という面で主体的かどうかはわかりませんが、ファン・サポーターの声が活かされるのかもしれません。もちろん後援会組織もそのような役割を負うのかもしれません。

 新潟さんは、「無料招待券を配って、観客動員に弾みをつけたから」という話を、いろいろなシーンで耳にしましたが、その効果については地域性の違いもあり簡単には語れないと思います。どうあれ、新潟さんはJ1で現在11位の大先輩クラブ。J1昇格から7年、一度も降格した事がありません。独自性も大事ですがこうして読むと、大先輩の新潟さんから学ぶべき事もいろいろとあるのではないでしょうか。 
アルビレックス新潟公式HP:http://www.albirex.co.jp/
アルビレックス新潟後援会公式HP:http://www.love-albirex.com/
J1新潟関連⑧:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20091226
  〃      ⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20091017
  〃      ⑥:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20081009
  〃      ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20071224
  〃      ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060722
  〃      ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060309
  〃      ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20051229
  〃      ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20050919

 JFLの松本山雅FCの松田選手が永眠されました。また何かしらの形で特集をしたいと思います。ご冥福をお祈り申し上げます。

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