J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

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三位一体という名前のクラブ3

2009-01-02 11:15:13 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 昨日まで県外にいて、早朝帰岡しました。1月2日にふさわしく、すぐに書ける話題という事で、カンブリア宮殿いってみたいと思います。前回のナビスコ優勝の時に紹介しています。
 正直初めて番組を観ました。生命の大爆発が起きた5億5千年前のカンブリア紀に、生命の誕生が未来への進化を担ったというナレーションでスタート。
 地方の弱小チームが日本サッカー界に旋風を巻き起こした、そのクラブは大分トリニータ。「奇跡のチームを作り上げた男、溝畑宏」と。以下、出たキーワードを羅列してみます。
    
<トリニータの創成期>
・地方のこういう話では、関係者がまず「できない理由」を挙げてしまう。自分で自分の器を作っていく。身の丈は自分で作るもの。「身の丈に合った」というのは大嫌い。俺が作るんや!
・身の丈論に一番最初にぶつかり、それを越えねばと思った。
・チームのデビュー戦で3人だった観客数をわずか8年で3万人に増やした。
 (当時のグランドは埋立地だったために、地面からワカメが生えてきたって(笑))
・その最初の3人に連絡先を聞いて、「絶対来てくれ」と毎日しつこく電話して、誰かに前日も会いに行かせて、友達を5人連れてこいとそういう所から入っていこうと。その3人を大事にしていけば、3人がメッセンジャーになっていく。
・100人の中の1人か2人でも関心を持ってくれたら、その人から広がっていく。

<溝畑社長のクラブ営業>
・まずは人が集まる商店街に目をつけた。1日100人をノルマと決めて、そこで毎日道行く人に声をかけまくった。
・地元との絆を深めているのは、社長だけでなく選手達も休日返上で地元との交流を重ねている。U-19代表選手談「地元サポーターのおかげ。こういう地元サービスはやって当たり前だと思っている」
・深夜まで自宅で経済誌を読みふける。「スポンサー営業に行くにあたって、その業界のトレンドくらいは勉強しておかないと、失礼になると思う」。
・営業というのは商品をセールスする前に、人と人との触れ合い、信頼がメインだと思う。
・大企業のメインスポンサーは無し。大きさでなく数で勝負。スポンサー数は700社以上。業種は千差万別。1口5万円から10万・20万円と。いかにしてみんなの参加意識を引き出すか。貧乏球団だから、我々が支えないという気持ち。物や金だけでなく、心でも支える。それがホームゲームで負けない理由。サポーターの思いが入っているから選手が燃えるのだと思う。

<溝畑社長の地方論>
・大分県の人口は120万人足らず。試合のたびに2万近い人がやってくる。ゼロから日本一になった。決勝の前に地方のクラブ社長や関係者から「我々のためにも頑張ってくれ」といっぱい言われた。
・「地方って、みんな地元のことが好き。絆・参加意識を高めていけば、時間をかければ観客は3万人になる。これは大都市ではできない事」
・地方で何を見出そうかなと思った時に、夢とか志が欲しかった。スポーツだけじゃなく、地域作りという観点から据えていた。'90イタリアW杯で人口40万人や20万の都市でW杯を開いて成功していて、大分でもやれると思ったのがきっかけ。大分の子ども達みんなに世界という意識を植え付けてあげたい。
・地方の人の悩みは、俺の住んでいる所は日本一・世界一とか、ここから天下取るんだという志がこれから必要だなと思った。W杯の開催都市の市民はこの街はすごいんだというシグナルを世界に送っている。これがこれからの地方に必要な自信、元気、誇り、そういう活力の源がこれだ。
            
<溝畑社長の生き方論>
・世の中、新しい改革をしようと思ったら、最初は非常識から入っていく。
・男たるものは苦しい時に真価を発揮する。常に挑戦する人間。
・「いつ死んでも悔いなし」
 (命をかけて仕事をしていると。口先だけではない事がよく伝わってきます)
・自分は坂本竜馬をイメージして生きている。常に世のため人のために尽くす。
 (これは前にちょっと触れた「公器」論とリンクしてきます)
・自分の人生の軸を持ったら、人から変人とか悪く言われても怖くなくなる。最初から役所で「浮く」ことを狙っていた。
・ポジティブに考えたらゼロじゃない。ゼロじゃないという事は可能性はある。ゼロと0.01%では天と地の差がある。この0.01%を時間をかけて100に持っていこうと思った。
・苦しい事にチャレンジすればするほど、神様は喜びと幸せを与えてくれる。その代わり100のうち、楽しい事は1あればいい。逆境が来るたびに逃げるんじゃなくて、自分を伸ばせてくれると「逆境さん、いらっしゃい」と歓迎する。

<トリニータの最近と今>
・J1に上がってからも苦戦。社長就任翌年には累積赤字7億円突破で経営危機。
・窮地に地元サポーターの後押しで、県から2億円救済融資決定。(これは市民運動が起これば行政・財界を動かす実例ですね)
・調子が悪い時にサポーターから強い批判を受けたが、顧客の声に謙虚に耳を傾ける。これが王道。批判は裏返しの愛情であり、絆であることに気付いた。
・浦和には数字では劣るが、試合で結構勝っている。(大分と浦和の比較)
  営業収入   = 約22億円(J1で15位) VS 約80億円
  平均入場者数 = 19,759人(J1で15位) VS 46,667人
  サポーター会員数 = 約2,000人 VS 約1万人
  人件費    = 約12億円 VS 約28億円
  商 圏    = 70万人 VS 1,600万人 
・レッズに勝った時は、トシちゃんとマッチのモノマネをバリバリやっちゃうくらいにうれしい(ムチャクチャ見たいっす)。
・毎試合ゴール裏に応援に行く中年のおっちゃんがいる。理由を聞くと「ゴール決めると横の女の子が抱きついてくるから」と(笑)。(これは笑うしかないなぁ)
・大分県への経済効果は年間23億円。数字では計れない大きな影響をもたらしている。大分市民へ夢と希望を与え続けている。経済効果の他にも、精神的な効果も計り知れないと思う。

<溝畑社長のサッカー論>
・世界200ケ国、どこの国でもやっている。世界共通言語のような存在。
・歴史的に見ても、非常に地域に根ざしている。
・他スポーツと違って、裾野が広くピラミッドになっていて、頑張った者は頂点へ行ける。
・地方を元気にするという意味では、非常に魅力的なソフト。

 大分効果は新しいビジネスの原動力になっているとして、トリニータのためだけに設立された、スタジアム警備会社「㈲NES」が紹介されました。クラブが作った警備などを請け負う下請け企業ですね。
 溝畑社長を描いたマンガ(ビジネスジャンプ増刊「BJ魂」で描かれた「大分トリニータ物語」)が有名だそうです。そういえば見たことあるかも。今度読んでみたい。
 溝畑社長は、若い頃(総務省時代)には銀座や六本木で遊びまくっていたとか。いいなぁ。あと首に締めていたトリニータのネクタイがカッコ良かったです。

 個人的に印象に残った部分をピックアップ。
・身の丈を最初から決めるべきでない(身の丈論として今後ここで出そう)。
  (いろいろと異論もあると思いますが、見習うべき面も多いと思います)
・地元の商店街に早くから注目し、重要視して連携を図ったこと。
・選手も休日返上でファンサービスに参加したこと。
  (これは選手の疲労度の面で、いろいろと意見もありますが)
・スポンサーは数で勝負。大小合わせて700社以上。
・常に世のため人のために力を尽くす(「公器」論です)。
・顧客の声に謙虚に耳を傾ける(商売上のお客様本位の姿勢)。
大分トリニータ公式HP:http://www.oita-trinita.co.jp/
J1大分関連②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20081104
J1大分関連①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20081103

コメント
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