かしょうの絵と雑記

ときどき描いている水彩スケッチや素人仲間の「絵の会」で描いている油絵などを中心に雑記を載せます。

多摩全生園「人権の森」スケッチ

2009年05月11日 | スケッチ、油絵、写真

 東村山市の国立ハンセン氏病療養所・多摩全生園で園内の樹木を訪ね、話を聞く企画があり参加した。 
 11万坪の広さをもつ同園には2500種、3万本の樹木が植えられているが、この絵の場所は4月に多くの市民が訪れた桜並木。 
今も2百数十人の入所者(元患者)がいるが「入所者は行けない位おおぜいの市民が花見に来てくれた」と全生園の天野秋一さん(当日の講師・昭和15年患者として入所)はうれしそうに語ってくれた。
 今年設立100周年の全生園の歴史は伝染する不治の病とされたハンセン氏病(らい病)患者の当地での苦難の歴史である。
 当日、天野さんや元患者自治会長の平沢保治さんなどから園内の樹木や森の歴史を聞いたが、「一人一本運動」などで入所者が植えた木々をはじめ一本づつに入所者の熱い思い・歴史がこもっている。
 全国にほかにも12か所あるというハンセン氏病診療所はつい最近の1996年の「らい予防法」廃止まで、患者の「強制隔離」の場であった。
 家族と郷里はじめ外部社会から「隔離」された患者は、死後も園内の火葬場で焼かれ、納骨堂(共同墓地)に納められた。その数は4000体を超すという。 
 入所者たちは「地元への感謝の気持ちを込めて緑の森を残そう」と努力したという。 ここを「人権の森」として残そうと住民と市は国に働きかけているが、多くの入所者たちの苦難の歴史を忘れないためにもその実現を期待しつつ、またスケッチに行きたい。
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