コンテナへのアクセス
つい最近、同じにほんブログ村のセルフビルド部門にに「コンテナハウスに暮らそう」というブログが登場。アクセス数上位ブログとなった。
私の「ノアの箱家」も上位だが、多くは、コンテナハウスが安く出来る家ではないかという期待から閲覧しているのではないか。
アトリエNOAの若い設計士玉城さんが言っていたことを思い出す。
「コンテナについての問い合わせは多い。だが、実現にまでこぎつけるケースは少ない」と。
どうしてかと問う私に、玉城さんは
「皆さん、30万円ぐらいで出来てしまうと考えていて、実際の費用が分かると、やめてしまわれるのです。」
確かに、中古コンテナそのものは安い。ひとつ20万円もあれば買える。だが、運搬費(コンテナ一つにつき、トラック代35000円とクレーン代(一日8万円ほど)がいる。加えて加工費。さらに断熱対策費。設計士に支払うお金(建築基準法上、コンテナは鉄骨扱いなので、建築士にしか設計出来ないということになっている)や役所への支払いや設備費を含むと、下手をすると普通の家とそれほど変わらなくなってしまうのではないか。
いくつかのコンテナサイトを見たが、コンテナ一つだけの住居で、300万円から500万円している。
経済的にゆとりのある人のセカンドハウスならまだしも、このような高い金額なら、借金をしてでも普通の家を建てる方がましと考える人の方が多くなるのは当然だろう。
コンテナ住居を扱っている業者のサイトを見てみると、広告はたくさん載っているが、実際に住居として建築を請け負った例は多くはない。
高いからだと思う。
だから、結構費用が高くつくと分かってからは、コンテナのマイナス面(熱い、寒い、結露)の方が気になりだして、多くの人はローンをつけて一般住居建築の道を選択していくのだろう。
コンテナに住む場合、経済的に最もメリットが大きいのは、建築基準法上で言うところの「無指定山林」エリアに建てる場合だ。
法的規制をあまり強く受けないので、やりたい放題できるから余計な出費が要らない。
設計士を立てる必要もなければ、手続き上の経費も少なくて済む。(逆にライフラインを整えようとして、高くつく場合もあるけれど)
重機などを貸してくれる友人、解体屋・大工などの知人がいれば、資材も安く手に入れることが出来るので、さらに有利にことが運ぶ。
建築主自体が知識と技術を持っていれば、もう言うこと無しだ!
そういった点で、確信的違法建築の道を選択したケースも含めば、コンテナで安いマイホームに成功している人は探せばきっとたくさんいるに違いない。
囲炉裏茶屋のコンテナ群
囲炉裏茶屋にはコンテナハウスが3棟ある。
内二棟は、コンテナを二つくっつけて造ったもの。
残り一棟はコンテナ一つで作ったものだ。
いずれも、囲炉裏茶屋の女将さんがタダで手に入れてきたコンテナで造った。
知り合いからコンテナを10個ばかり「いらんからやるわ」と言われて譲り受けてきたものを使用している。女将さんは他の人にもコンテナを分けてあげたので、樫田近辺にはいくつかコンテナハウスがある。自力で友人達(いずれも解体屋や鉄工所・大工)と造ったので、設備費なども含めて数十万円で出来ている。
これは成功しているケースだ。
コンテナはBライフの人間にとっては大きな助けになるのは間違いないのだから、法律の方を何とか変えなければならない。
それによって、救われる人間がたくさん出てくるのだ。
実際、大きな震災が生じれば、仮設住居が必要になってくる。
コンテナ一つあれば一般的には何とかやっていけるから、コンテナは仮設住居としても最適だと思うのに、残念なことである。