碓井広義ブログ

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週刊朝日で、「半分、青い。」についてコメント

2018年05月11日 | メディアでのコメント・論評


インスタも好調!
NHK朝ドラ「半分、青い。」はなぜウケるのか?

4月からスタートした連続テレビ小説「半分、青い。」(NHK)が好調だ。女優の永野芽郁(18)がヒロインを務める同作は、岐阜と東京を舞台に、病気で左耳を失聴した楡野鈴愛(にれのすずめ)が、少女漫画家を目指して上京し、挫折や結婚・出産・離婚を経験しながら、高度経済成長期の終わりから現代まで、およそ半世紀を描く。

脚本は、「ロングバケーション」(フジテレビ)や「ビューティフルライフ」(TBS)などの恋愛ドラマヒット作で知られる北川悦吏子氏(56)。初回視聴率は21.8%でスタートし、前3作の「べっぴんさん」(21.6%)、「ひよっこ」(19.5%)、「わろてんか」(20.8%)を上回る好発進で、第1週=20.1%、第2週=20.0%と2週連続で大台をキープしている(数字はすべてビデオリサーチ調べ、関東地区)。

「朝ドラ史上初の、障害を持ったヒロインが生き生きと描かれている期待作」

上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)はこう力説する。


実は、左耳の失聴という設定は、脚本家の北川氏自身の実体験を踏まえたもの。北川氏は病気により3年前に左耳の聴覚を失い、その経験を脚本に生かしたという。

「ちょっとショックではあったんですが、傘をさすと左側だけ雨音が聞こえず、雨が降っていないかのように感じるのがおもしろくて、“これはドラマになる”と思いました」(北川氏)

ヒロインの鈴愛は、自身の聞こえない耳を「耳の中で小人が歌って踊ってる」と話し、不快なノイズであるはずの耳鳴りを「海の音。潮騒」だと表現する。

「障害を個性と捉え、ユニークな女の子として描かれている。ドラマ全体がとにかく明るくて、久しぶりに“本気で見たい朝ドラが帰ってきた”とワクワクしています」(碓井教授)

「赤チン」に「ねるとん番組」、ボディコンや「レナウン」のCMなど、70~80年代の懐かしさが随所にちりばめられているのも特徴の一つ。北川氏は制作決定発表後、自身のツイッターで、鈴愛と同じ「1971年前後生まれの人」に向け、当時の流行についてアンケート。参加型の脚本構成でファンのハートをつかんだ。

制作段階からのこうした積み重ねが功を奏し、放送開始時点での公式インスタグラムのフォロワー数が16万超と異例の注目度。現在SNS上では、視聴者間での“懐かしさ談議”が活発に繰り広げられている。(本誌・松岡かすみ)

(週刊朝日 2018年5月18日号)

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