碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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斬って斬って、斬りまくっていた『十三人の刺客』

2010年09月30日 | 映画・ビデオ・映像

映画『十三人の刺客』を観てきた。

昨夜、BSハイビジョンで『荒野の七人』を観たばかりで、その元ネタ『七人の侍』を生んだ国の、最新集団活劇ということになる。

いやあ、素直に面白かったです。

予告編で、役所広司が「斬って斬って、斬りまくれ!」と叫んでいたけど、実際「斬って斬って、斬りまくる」映画でした(笑)。

いいもん、悪いもんがはっきりしていて、また13人の刺客たち、そして悪役である将軍の弟(稲垣吾郎がいい)のキャラクターもしっかり描かれていて、全体が明快。

宿場町での死闘も、それぞれの“見せ場”をきちんと作り、観客にじっくりと見せてくれた。

この死闘がちょっと長いかな、とも思ったけど、まあ、三池監督が納得するまでやったんだから、いいよね(笑)。

松方弘樹の殺陣を久しぶりで楽しんだし、松本幸四郎ははやり映えるし、岸部一徳の庄屋も相変わらず上手いし。

中でも、稲垣吾郎と並んで印象に残ったが、剣豪浪人の伊原剛志だ。「斬りまくる」の権化(笑)であり、現代劇より、断然こっちのほうが似合っていた。

そうそう、夜の室内シーンが、ほどよい暗さで、よかった。撮影、照明、美術といった各パートもいい仕事をしていたってことです。


本編上映前の予告編を見ていると、なんだか時代劇ばっかりだ(笑)。

たまたまなのか、全体としてブームなのかは知らないけど、そんなに作って大丈夫か。

まあ、面白い作品なら、ジャンルを問わず、大歓迎です。

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