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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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映画『夢売るふたり』の松たか子が、すごい

2012年09月11日 | 映画・ビデオ・映像

8日に公開された、映画『夢売るふたり』を観てきた。

もちろん西川美和監督作品ということもあるが、ゴヒイキ・松たか子の最新作とくれば、やはり駆けつけないわけにはいかない(笑)。

そして、映画全体もですが、特に松たか子は予想以上の出来でした。

夫の阿部サダヲとの“共謀”で、結婚詐欺を仕掛ける妻。

この一筋縄ではいかない役柄を、まんまと、堂々と、実在の人物であるかのように演じきってしまった。

松たか子が演じる里子は、男にとってあらまほしい、単なる「健気な妻」などではない。

女性なら誰でも持っていて、でも男にはちゃんと見えていない、胸の奥に潜み、腹の底に眠る、ある“怖さ”。

それが、物語の途中から、じわじわと効いてくる。

また、たぶん「体当たりの演技」みたいなことも言われるかもしれない、アパートの部屋での自慰行為など、松たか子ファンには、ちょっとドキッとするようなシーンもある。

あるけど、そんなの、松たか子にとっては体当たりでも何でもない。

完全に里子の「こころとからだ」を体現しているのだから。

西川監督、そして松たか子、恐るべし(笑)。


そうそう、この作品には、もう一人のゴヒイキ、木村多江も出ていた。

木村さんに関しては、こちらは、ただもう安心して観ていればいい。

それから鈴木砂羽も良かったなあ。

田中麗奈も頑張っていた。

そうい意味では、「怒涛の女性映画」ですね、これ。

阿部サダヲじゃなくても、男は女性に敵いません(笑)。






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