
8日に公開された、映画『夢売るふたり』を観てきた。
もちろん西川美和監督作品ということもあるが、ゴヒイキ・松たか子の最新作とくれば、やはり駆けつけないわけにはいかない(笑)。
そして、映画全体もですが、特に松たか子は予想以上の出来でした。
夫の阿部サダヲとの“共謀”で、結婚詐欺を仕掛ける妻。
この一筋縄ではいかない役柄を、まんまと、堂々と、実在の人物であるかのように演じきってしまった。
松たか子が演じる里子は、男にとってあらまほしい、単なる「健気な妻」などではない。
女性なら誰でも持っていて、でも男にはちゃんと見えていない、胸の奥に潜み、腹の底に眠る、ある“怖さ”。
それが、物語の途中から、じわじわと効いてくる。
また、たぶん「体当たりの演技」みたいなことも言われるかもしれない、アパートの部屋での自慰行為など、松たか子ファンには、ちょっとドキッとするようなシーンもある。
あるけど、そんなの、松たか子にとっては体当たりでも何でもない。
完全に里子の「こころとからだ」を体現しているのだから。
西川監督、そして松たか子、恐るべし(笑)。
そうそう、この作品には、もう一人のゴヒイキ、木村多江も出ていた。
木村さんに関しては、こちらは、ただもう安心して観ていればいい。
それから鈴木砂羽も良かったなあ。
田中麗奈も頑張っていた。
そうい意味では、「怒涛の女性映画」ですね、これ。
阿部サダヲじゃなくても、男は女性に敵いません(笑)。
