碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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TBS「TAKE FIVE」は“逆張り”犯罪者ドラマ

2013年04月24日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

日刊ゲンダイに連載中の「TV見るべきものは!!」。

今週は、TBS金曜ドラマ「TAKE FIVE~俺たちは愛を盗めるか~」について書きました。


「TAKE FIVE
~俺たちは愛を盗めるか~」
TBSの“逆張り”犯罪者ドラマは期待大!

この春の新ドラマも刑事・警察物が多い。ある程度、視聴率の歩留りが読めるからだが、視聴者にとっては似たような料理が並ぶわけで、食傷気味にならないか心配だ。

そんな中、追う側(刑事)ではなく、追われる側(犯罪者)を主人公にする“逆張り”の発想で仕掛けてきたのが、TBSの金曜ドラマ「TAKE FIVE~俺たちは愛を盗めるか~」である。

「テイク・ファイブ」は義賊とも呼べる伝説の窃盗集団。かつてそのメンバーだった唐沢寿明は、現在足を洗って大学の教壇に立っている。ところが、謎のホームレス(倍賞美津子)からレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画の写真を見せられたことから、泥棒チームの再結成へと動いていくのだ。

先週の第1回を見たが、全体がチャチな作りじゃないことに感心した。銀行の担保倉庫への侵入も、泥棒嫌いの女刑事(松雪泰子)たちの描き方も大人の鑑賞に堪えるものだ。何より映像センスと軽快なテンポがいい。

さらに、唐沢と窃盗団「テイク・ファイブ」が抱えている過去の謎も興味をひく。それは設定と登場人物の造形がしっかりしている証拠だろう。

原案脚本の櫻井武晴は、ドラマ「相棒」や公開中のアニメ映画「名探偵コナン 絶海の探偵」を手がけるベテラン。映画「麒麟の翼」でも組んだ、伊與田英徳プロデューサーとのコンビは期待大だ。

(日刊ゲンダイ 2013.04.23)

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