碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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書評した本: 細川展裕 『演劇プロデューサーという仕事』ほか

2019年01月24日 | 書評した本たち


週刊新潮に、以下の書評を寄稿しました。

細川展裕 
『演劇プロデューサーという仕事』

小学館 1,512円

紀伊國屋ホールの場所も知らなかった青年が、幼なじみの鴻上尚史に誘われてプロデューサーになった。以来、「第三舞台」と「劇団☆新感線」を牽引して35年。本書は自伝であり、二つの劇団の活動史でもある。興行としての演劇の舞台裏は、芝居よりも劇的だ。


小林信也 
『柳都新潟 古町芸妓ものがたり』

ダイヤモンド社 1,728円

北前船の時代から栄えた新潟の花柳界。しかし、「和の総合芸術」である芸妓文化も様変わりしている。名妓たちの軌跡。新人の挑戦。芸妓を社員とする株式会社の誕生。作家・スポーツライターの著者が花柳界の素顔と花街の本質に迫るヒューマン・ドキュメントだ。


円満字二郎 
『四字熟語ときあかし辞典』

研究社 2,376円

日常で使われる四字熟語は数百程度。本書に収録されているのは1106語だ。意味や由来、類義の熟語との差異はもちろん、「熟読玩味」の解説を、「かめばかむほど味が出る!」で始める軽妙洒脱な文章によって豊富な用例が示される。読んで楽しむ熟語辞典だ。

(週刊新潮 2018年12月20日)


行方 均 
『ジャズは本棚に在り ジャズ書と名盤』

シンコーミュージック・エンタテイメント 2,376円

著者は音楽評論家にしてレコード・プロデューサー。紹介するジャズ書の一冊目が植草甚一『モダン・ジャズのたのしみ』であることに拍手だ。続いて50年前の粟村政昭『ジャズ・レコード・ブック』というのも見事。本書に並ぶ約90冊はジャズの歴史であり現在だ。

(週刊新潮 2018年12月27日号)



<2019年2月15日発売>

ドラマへの遺言
倉本聰、碓井広義
新潮社