碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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『トットちゃん!』は、予想以上に楽しめる「昭和ドラマ」

2017年10月19日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評



テレビ朝日系「トットちゃん!」
予想以上に楽しめる「昭和ドラマ」になっている

放送前、「大丈夫か?」と勝手に心配していたが、杞憂だった。帯ドラマ劇場「トットちゃん!」(テレビ朝日系)である。

このドラマは、あの黒柳徹子さん(84)の物語だ。累計800万部の大ベストセラー「窓ぎわのトットちゃん」や続編「トットチャンネル」などで、黒柳さんの半生は広く知れ渡っている。また昨年、NHKで満島ひかり主演「トットてれび」も放送されている。「手あかのついたネタ」と言われても仕方がなかった。

しかし始まってみると、予想以上に楽しめる「昭和ドラマ」になっている。黒柳さんが生まれる前の昭和4年にまで遡り、両親の出会いから丁寧に描いてきたことの効果だ。

バイオリニストでNHK交響楽団のコンサートマスターも務めた父、黒柳守綱(山本耕史)。現在の東京音楽大学で声楽を学んだ母、朝(松下奈緒)。

2人の若き日のエピソードを、まるで彼らが主人公であるかのように、じっくりと見せてきた。おかげで視聴者は時代背景を理解すると共に、トットちゃんというヒロインに出会う準備が十二分にできたのだ。

第2週で、ようやく黒柳夫妻に赤ちゃん誕生。一気に小学生となり、常識という枠におさまらないユニークな言動にも磨きがかかってきた。幼少期のトットちゃん役、豊嶋花の達者な演技に拍手しながら、主演女優・清野菜名(23)の登場を待ちたい。

(日刊ゲンダイ 2017.10.18)



【気まぐれ写真館】 久しぶりの晴れ間  2017.10.18

2017年10月19日 | 気まぐれ写真館
明日はまた雨模様らしいのですが・・・