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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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錦戸亮&松岡茉優「ウチの夫は仕事ができない」の挑戦

2017年07月20日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評



日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。

今週は、ドラマ「ウチの夫は仕事ができない」について書きました。


日本テレビ系「ウチの夫は仕事ができない」
プチ「ラ・ラ・ランド」仕様に
拒否反応を示す視聴者もいるだろうが

日本テレビの土曜夜10時は、かつて「土曜グランド劇場」と呼ばれていた伝統のドラマ枠だ。水谷豊主演「熱中時代」シリーズや西田敏行の「池中玄太80キロ」といったヒット作も多い。「ウチの夫は仕事ができない」は、往年の土曜グランドを思わせる“お仕事ホームドラマ”だ。

人物像や設定に特色があり、結構笑わせて、ちょっと泣かせてくれる。イベント会社勤務の夫・小林司(錦戸亮)、妊娠中の妻・沙也加(松岡茉優)。司は真面目で人柄もいいのだが、バリバリ仕事! というタイプではない。むしろ上司や同僚から「お荷物」扱いされる崖っぷち社員だ。

そんな司のことを「仕事もできる理想の夫」だと思っていた沙也加は、夫の会社での評価を最近知ったばかり。何とか夫の役に立とうと、仕事のハウツーを即席で学び、アドバイスしていく。

錦戸が演じる司は、いわば“無垢なる魂”の持ち主だ。手柄を後輩に横取りされても黙ってほほ笑んでいる。そんな男が妻子を抱え、厳しい競争社会をどう生き抜いていくのか。そこが見どころとなる。

第2のポイントは驚きのミュージカル場面だ。「♪ない、未来がない」などと歌って踊るシーンが挿入される、プチ「ラ・ラ・ランド」仕様に拒否反応を示す視聴者もいるだろう。しかし、ここは制作側のチャレンジ精神を支持したい。

(日刊ゲンダイ 2017.07.19)

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2017年07月20日 | 大学