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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

「直虎」より、「阿部サダヲの家康」が主役の大河が見たい!?

2017年03月12日 | メディアでのコメント・論評



週刊新潮で、NHK大河「おんな城主 直虎」について解説しました。

「直虎」見るなら、
柴咲コウより阿部サダヲ

失速が伝えられるNHK大河ドラマが面白い!

ただし、主役の直虎こと柴咲コウではない。

「井伊家同様、今川の支配下にある徳川家康夫妻がいい。家康役の阿部サダヲは、昨年の『真田丸』で演じた内野聖陽よりもタヌキぶりにリアリティがある。その家康を尻に敷いていたと言われる築山殿も、auの“三太郎”CMでS嬢ぶりを発揮する菜々緒がキャラをそのまま持ってきたようで、上手いキャスティング。二人の大河のほうが面白そう」

とは上智大学の碓井広義教授(メディア論)だ。


2月26日放送の第8話「赤ちゃんはまだか」では、桶狭間の戦いに臨み、家康を叱咤激励する菜々緒が印象的だったが、直虎は?

「タイトルから分かる通り、出家中の直虎とは関係のないストーリー。直虎の実家の話であり、すっかり橋田寿賀子のホームドラマのようになっています。それだけ資料に乏しい主役で、ストーリーを作るのは難しいのでしょう」(同)

NHKはこのところ、1年おきに大河の主役に歴史上マイナーだった女性を抜擢しては、失敗している。新島襄の妻(2013年「八重の桜」)然り、吉田松陰の妹(15年「花燃ゆ」)然り。

「知らない人だからイメージも湧かないし、ストーリーがないからダイナミックにならない。安倍政権の“女性が輝く社会”にどれだけおもねっているのか知りませんが、大河の主役まで男女雇用機会を均等にする必要はないですよ」(同)

今週は桶狭間の戦いだが、むろん直虎の出陣はない。

(週刊新潮 2017.03.09号)