碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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オリコン「コンフィデンス」で、俳優・滝藤賢一さんについて解説

2015年11月05日 | メディアでのコメント・論評



オリコンのエンタメ専門誌「コンフィデンス」から取材を受け、俳優・滝藤賢一さんについて解説しました。


“怪優”滝藤賢一の強みは「自己客観力」

滝藤賢一のNHK土曜ドラマ「破裂」での怪演が話題だ。

同ドラマで滝藤は、椎名桔平が演じるエリート医師・香村鷹一郎が発明した“夢の治療法”の“副作用”を利用し、高齢者を抹殺しようとする策略家の敏腕官僚を演じている。

現在38歳の滝藤は、元々仲代達矢主宰の「無名塾」の出身。半沢の同僚役を演じた13年の「半沢直樹」でブレイクし、14年には「俺のダンディズム」でドラマ初主演。以降も数々の作品で活躍している。

上智大学文学部新聞学科教授の碓井広義氏は、「一見か弱く、繊細、神経質そうに見えるそのビジュアルを上手に活用しながら、どんな複雑な性格の役でも演じきることのできる数少ない俳優。なかでも崖っぷちにいる人間の弱さと追い詰められた者の強さ、内に籠る狂気を表現させたら、彼の右に出る者はいない」と演技力について高く評価をする。

また、「作品の中での役柄、位置付け、もっと言うと自分の価値を客観的に見て理解しているのを感じる」と言い、「だからこそ相手との間合いの取り方が巧み。主張するだけの俳優とは違い、どの作品でも自身の役割をしっかり果たしているところは見事」と称賛する。


12月には「杉原千畝 スギハラチウネ」「はなちゃんのみそ汁」の2作の出演映画が公開。来年は「残穢(ざんえ)~住んではいけない部屋~」「64 ロクヨン~前編・後編」「テラフォーマーズ」の公開が決定と、勢いは留まりそうにない。さらなる活躍が期待できそうだ。

(コンフィデンス 2015.11.02号)